火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第3号
平成27年1月9日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(1月5日から1月9日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1日頃から山体の膨張と
考えられる変化が見られ、現在も膨張した状態が継続しています。
 この膨張が一度に解消されると、2012年7月24日及び2013年8
月18日と同規模もしくはそれ以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生す
る可能性があります。今後の火山活動に注意してください。

 昭和火口では、爆発的噴火が9回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴
石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。また、
同火口では、夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を7日から8日にかけ
て観測しました。
 
 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 7日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり3600
トン(前回12月22日、1700トン)と非常に多い状態でした。
 
 火山性地震は8日にやや多くなりましたが、それ以外は少ない状態で経過
しました。噴火に伴う火山性微動が発生しています。
 
 1月5日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)は
以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 1月 5日         21回     6回     5回
 1月 6日         23回    29回     2回
 1月 7日         16回    13回     2回
 1月 8日         58回    10回     0回
 1月 9日(15時まで)  13回     3回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、13日(火)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>