火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第61号
平成26年12月19日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(12月15日から12月19日15時)
 阿蘇山では、活発な噴火活動が続いています。

 遠望観測では、噴煙は最高で火口縁上1000メートルまで上がりました
。

 15日と18日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あた
り2000から3100トン(前回12月9日2300トン)と多い状態が
継続しています。

 中岳第一火口では、夜間に遠望カメラで、赤熱した噴石が火口縁上に上が
っていることを確認したほか、火映を時々観測しました。また、阿蘇火山博
物館の火口カメラで、火炎を時々観測しました。

 火山性微動の振幅は、17日13時過ぎからやや小さくなりましたが、依
然大きい状態が継続しています。また、時々空振を観測しました。

 GNSS連続観測では、一部の基線にわずかな伸びの傾向が認められます
。傾斜計では、特段の変化は認められません。

 12月15日からの火山性地震の回数及び微動積算時間(いずれも速報値
)は以下のとおりです。

              火山性地震    微動積算時間
 12月15日         18回   24時間00分
 12月16日         19回   24時間00分
 12月17日          5回   24時間00分
 12月18日          2回   24時間00分
 12月19日(15時まで)   2回   15時間00分

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石に警戒してください。火口周辺では強風時に小さな噴石が1k
mを超えて降るため、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石にも注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、22日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>