火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第59号
平成26年12月12日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(12月8日から12月12日15時)
 阿蘇山では、活発な噴火活動が続いています。

 9日夜間の噴火では、小さな噴石が強風に流されて中岳第一火口の南西か
ら西側1キロメートル付近へ落下するのを遠望カメラ(高感度カメラ)で確
認しました。10日に実施した現地調査では、中岳第一火口の南西側500
メートル付近で最大約20センチメートルの小さな噴石を、1.2キロメー
トル付近で5から10センチメートルの小さな噴石を確認しました。

 二酸化硫黄の放出量は、9日に1日あたり2300トン(前回11月20
日、2600トン)と多い状態でした。

 遠望観測では、噴煙は最高で火口縁上600メートルまで上がりました。
 中岳第一火口では、夜間に遠望カメラで、赤熱した噴石が火口縁上に上が
っていることを時々確認したほか、火映を時々観測しました。また、阿蘇火
山博物館の火口カメラで、火炎や赤熱した噴石を時々観測しました。

 火山性微動の振幅は大きい状態が継続しています。

 GNSS連続観測では、一部の基線にわずかな伸びの傾向が認められます
。傾斜計では、特段の変化は認められません。

 12月8日からの火山性地震の回数及び微動積算時間(いずれも速報値)
は以下のとおりです。

              火山性地震    微動積算時間
 12月 8日          7回   24時間00分
 12月 9日         37回   24時間00分
 12月10日         52回   24時間00分
 12月11日         52回   24時間00分
 12月12日(15時まで)  30回   15時間00分

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石
が風に流されて降るため注意してください。火口周辺では強風時に小さな噴
石が1kmを超えて降りました。

  次の火山の状況に関する解説情報は、15日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>