火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第58号
平成26年12月8日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(12月5日から12月8日15時)
 阿蘇山では、活発な噴火活動が続いています。
 中岳第一火口では連続的に噴火が発生しています。本日(8日)12時頃
からは天候不良のため噴煙を確認できていませんが、火山性微動や空振の発
生状況などから、噴火が継続していると考えられます。
 遠望観測では、噴煙は最高で火口縁上600メートルまで上がりました。

 中岳第一火口では、夜間に遠望カメラ(高感度カメラ)で、赤熱した噴石
が火口縁上に上がっていることを確認したほか、火映を観測しました。また
、阿蘇火山博物館の火口カメラでは、141火孔から火炎や赤熱した噴石を
観測しました。

 火山性微動は振幅の大きい状態で継続しており、しばしば空振を伴ってい
ます。
 
 GNSS連続観測では、一部の基線にわずかな伸びの傾向が認められます
。傾斜計では、特段の変化は認められません。

 12月5日からの火山性地震の回数及び微動積算時間(いずれも速報値)
は以下のとおりです。

              火山性地震    微動積算時間
 12月 5日         68回   24時間00分
 12月 6日         41回   24時間00分
 12月 7日         45回   24時間00分
 12月 8日(15時まで)   6回   15時間00分

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、12日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>