火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第55号
平成26年12月1日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(11月28日から12月1日15時)
 阿蘇山では、活発な噴火活動が続いています。
 中岳第一火口では、25日の噴火の発生以降、30日昼過ぎまで連続的に
噴火を観測したほか、本日(1日)12時40分に一時的に噴火を観測しま
した。これ以外では、天候不良により噴火は確認できませんでした。ごく小
規模な噴火は継続している可能性があります。

 30日の遠望観測では噴煙は最高で火口縁上1100メートルまで上がり
ました。夜間には赤熱した噴石を火口縁上に時々噴出していました。

 遠望カメラ(高感度カメラ)では、火映を夜間に時々観測しました。また
、火口カメラ(阿蘇火山博物館設置)では、火口内の火炎を夜間に時々観測
しました。

 火山性微動は消長を繰り返しながら大きい状態で継続しています。
 火山性地震及び孤立型微動は、多い状態で経過しているものと推定されま
す。火山性微動が時々大きくなっており、見掛け上、孤立型微動と火山性地
震の回数が少なく計数されています。

 GNSS連続観測では、一部の基線でわずかな伸びの傾向が認められます
。

 11月28日からの孤立型微動、火山性地震の回数及び微動積算時間(い
ずれも速報値)は以下のとおりです。

              孤立型微動 火山性地震  微動積算時間
 11月28日          0回   95回 24時間00分
 11月29日          0回   48回 24時間00分
 11月30日         62回   46回 21時間39分
 12月 1日(15時まで)   0回   17回 15時間00分

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5日(金)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>