火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第54号
平成26年11月28日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(11月27日から11月28日15時)
 阿蘇山では、活発な噴火活動が続いています。
 中岳第一火口では、25日の噴火の発生以降、連続的に噴火が発生し、本
日(28日)15時現在も継続しています。
 昨日(27日)13時に実施した現地調査では、ストロンボリ式噴火を観
測しました。
 遠望観測では、噴煙は最高で火口縁上1500メートルまで上がりました
。また、小さな噴石が火口周辺に飛散している事を確認しました。

 中岳第一火口では、昨夜から今朝にかけて遠望カメラ(高感度カメラ)で
火映を観測しました。また、火口カメラ(阿蘇火山博物館設置)では、火口
内で火炎を断続的に観測しました。

 火山性微動は消長を繰り返しながら大きい状態で継続しています。
 火山性地震及び孤立型微動は、多い状態で経過しているものと推定されま
す。火山性微動が時々大きくなっており、見掛け上、孤立型微動と火山性地
震の回数が少なく計数されています。

 地殻変動観測では、GNSS連続観測の一部の基線でわずかな伸びの傾向
が認められます。

 11月27日からの孤立型微動・火山性地震の回数及び微動積算時間(い
ずれも速報値)は以下のとおりです。

              孤立型微動 火山性地震 微動積算時間
 11月27日          0回   95回 24時間00分
 11月28日(15時まで)   0回   64回 15時間00分

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、12月1日(月)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>