火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第53号
平成26年11月27日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(11月26日から11月27日15時)
 阿蘇山では、活発な噴火活動が続いています。
 中岳第一火口では、25日の噴火の発生以降、連続的に噴火が発生し、灰
白色の噴煙が火口縁上1500メートルまで上がり、本日(27日)15時
現在も継続しています。
 
 本日実施した現地調査では、中岳第一火口の南側で、火山灰が約7センチ
メートル堆積し、こぶし大のスコリアが飛散していることを確認しました。

 国土交通省九州地方整備局の協力を得て、気象庁機動調査班(JMA−M
OT)が実施した上空からの調査では、火山灰を含む噴煙は火口縁上100
0メートルまで上がりました。また、噴煙の風下側では多量の降灰が確認さ
れました。

 電話による聞き取り調査では、主に中岳第一火口の西側の広い範囲で熊本
市内でも降灰を確認しました。

 中岳第一火口では、昨夜から今朝にかけて遠望カメラ(高感度カメラ)で
火映を観測しました。また、火口カメラ(阿蘇火山博物館設置)では、火口
内で火炎を断続的に観測しています。

 火山性微動は消長を繰り返しながら大きい状態で継続しています。
 火山性地震及び孤立型微動は、多い状態で経過しているものと推定されま
す。火山性微動が時々大きくなっており、見掛け上、孤立型微動と火山性地
震の回数が少なく計数されています。

 地殻変動観測では、GNSS連続観測の一部の基線でわずかな伸びの傾向
が認められます。

 11月26日からの孤立型微動・火山性地震の回数及び微動積算時間(い
ずれも速報値)は以下のとおりです。

              孤立型微動 火山性地震 微動積算時間
 11月26日          0回   58回 24時間00分
 11月27日(15時まで)   0回   74回 15時間00分

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、28日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>