火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第50号
平成26年11月21日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(11月17日から11月21日15時)
 阿蘇山では、噴火は発生しませんでした。

 遠望観測では、白色の噴煙が火口縁上1000mまで上がりました。

 火山性地震及び孤立型微動は、多い状態で経過しているものと推定されま
す。火山性微動は時々大きくなっており、見掛け上、孤立型微動と火山性地
震の回数が少なく計数されています。

 18日に実施した現地調査では二酸化硫黄の放出量は1日あたり2600
トン(前回10月27日2600トン)と引き続き多い状態でした。
 20日に実施した現地調査では、中岳第一火口の中央部噴気孔付近の温度
は高い状態が継続しています。

 中岳第一火口では、夜間に遠望カメラ(高感度カメラ)で確認できる程度
の火映を、また、火口カメラ(阿蘇火山博物館設置)では、夜間に火口内で
火炎を、期間を通して観測しました。
 地殻変動観測では、GNSS連続観測の一部の基線でわずかな延びの傾向
が認められました。傾斜計では特段の変化は認められません。

 11月17日からの孤立型微動、火山性地震の回数(速報値)は以下のと
おりです。

                孤立型微動    火山性地震
  11月17日         252回      86回
  11月18日           67回      77回
  11月19日          43回     127回
  11月20日          88回      30回
  11月21日(15時まで)    0回      30回

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある
ため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、25日(火)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>