火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第38号
平成26年5月12日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(5月9日から5月12日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が3回発生しました。10日13時07分の爆
発的噴火では、多量の噴煙が火口縁上4500mまで上がり、弾道を描いて
飛散する大きな噴石が3合目(昭和火口より1300から1800m)まで
達しました。また、同火口では、夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を
9日から10日にかけて観測しました。

 南岳山頂火口では、9日と10日に噴煙の高さが100mから300m程
度のごく小規模な噴火を観測しました。

 9日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり2300
トン(前回5月2日、2000トン)と多い状況でした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 5月9日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)は
以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  5月 9日         3回     2回     0回
  5月10日        19回    13回     3回
  5月11日         0回     2回     0回
  5月12日(15時まで)  0回     0回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、16日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>