火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第107号
平成25年12月30日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(12月27日から12月30日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、19日頃から山体の膨張
と考えられるわずかな変化が継続していましたが、29日以降は鈍化してい
ます。
 昨年(2012年)7月24日の南岳山頂火口の噴火の前にも同様の変化
がみられており、今回も同程度の規模の、多量の噴煙を噴出する噴火が発生
する可能性があります。

 昭和火口では、爆発的噴火は発生しませんでした。小規模な噴火が27日
00時25分に発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が6合目(昭和火
口より300から500m)まで達しました。
 
 南岳山頂火口では、29日10時32分にごく小規模な噴火が発生し、噴
煙が火口縁上200mまで上がりました。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 12月27日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値
)は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 12月27日        32回    14回     0回
 12月28日        31回    24回     0回
 12月29日        11回     3回     0回
 12月30日(15時まで)  8回     0回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、平成26年1月6日(月)16時頃
に発表の予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>