火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第89号
平成25年11月1日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(10月28日から11月1日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 昭和火口では、爆発的噴火が11回発生し、弾道を描いて飛散する大きな
噴石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。
 10月28日08時09分の爆発的噴火では、やや多量の噴煙が火口縁上
3500mまで達し、また、12時29分からの噴火では、12時40分に
やや多量の噴煙となり火口縁上3200mまで達しました。
 同火口では、夜間に高感度カメラで確認できる程度の微弱な火映を10月
31日から11月1日にかけて観測しました。
 
 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 10月29日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり
1200トン(前回10月9日、2500トン)とやや多い状況でした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 10月28日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値
)は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 10月28日        27回    35回     5回
 10月29日        36回    41回     1回
 10月30日        23回    30回     5回
 10月31日         3回     5回     0回
 11月 1日(15時まで)  2回     0回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5日(火)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>