火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第25号
平成24年3月23日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(3月19日から3月23日15時)
 桜島では、21日11時00分に火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山
規制)を切り替え、警戒範囲を南岳山頂火口から概ね2km及び昭和火口か
ら2kmを超えた居住地域近くの範囲(昭和火口から概ね2.4km)から
、昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmに縮小しました。

 昭和火口では今期間、爆発的噴火が13回発生し、弾道を描いて飛散する
大きな噴石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました
。
 22日00時55分の爆発的噴火では、ごく小規模な火砕流が昭和火口の
東側約300mまで流下しました。同火口で火砕流が確認されたのは、20
11年10月26日以来です。また、同火口では夜間に高感度カメラで明瞭
に見える火映を時々観測しました。

 南岳山頂火口では、19日から21日にかけてごく小規模な噴火が時々発
生しました。また、同火口では22日に夜間に高感度カメラで確認できる程
度の微弱な火映を観測しました。同火口で火映が観測されたのは、2009
年5月19日以来です。
 
 火山性地震は少ない状態です。噴火に伴う火山性微動が発生しています。

 3月19日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。
             火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  3月19日        45回    21回     4回
  3月20日        13回     9回     0回
  3月21日        29回    33回     5回
  3月22日        39回    18回     4回
  3月23日(15時まで)  6回     3回     0回

 なお、3月12日15時07分の爆発的噴火に伴う噴石の落下地点を当初
、昭和火口より約2.4km付近としていましたが、その後、大隅河川国道
事務所設置の監視カメラ画像による精査の結果、昭和火口より2km付近に
修正しました。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振や、降雨時には土石流に注意が必要で
す。

  次の火山の状況に関する解説情報は、26日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>