火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第12号
平成24年2月10日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(2月6日から2月10日15時)
 霧島山(新燃岳)では、噴火の発生はありませんでした。
 火山性地震は、やや多い状態が続いています。火山性微動は観測されませ
んでした。
 遠望観測では、白色の噴煙が概ね50mで経過し、噴煙活動に特段の変化
はありません。
 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
 本日(10日)、海上自衛隊第72航空隊鹿屋航空分遣隊の協力を得て実
施した上空からの調査では、前回(1月24日)と比較して、火口内に蓄積
された溶岩の大きさ(直径約600m)や形状及び周辺の噴気の状況に変化
がないことを確認しました。白色の噴煙が、主に溶岩の北側及び東側から火
口縁上50m程度上がっており、一部には二酸化硫黄を含む青白色のガスを
確認しました。
 
 2月6日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとおり
です。
               火山性地震    爆発的噴火
   2月 6日         24回       0回
   2月 7日         13回       0回
   2月 8日          7回       0回
   2月 9日         21回       0回
   2月10日(15時まで)  27回       0回

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、13日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>