火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第104号
平成23年9月2日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(8月29日から9月2日15時)
 霧島山(新燃岳)では、8月31日02時43分に小規模の噴火が発生し
、噴煙は火口縁上500mまで上がり、南西方向に流れました。
 8月31日に実施した現地調査及び聞き取り調査では、降灰は新燃岳の南
西方向に分布し、鹿児島県霧島市牧園町(新燃岳から約15km)や鹿児島
県霧島市隼人町(新燃岳から約20km)でも確認されました。
 噴火は、火山性微動を伴って本日(2日)15時現在も継続しています。
噴火の発生は8月6日以来です。

 傾斜計では、噴火発生とともに新燃岳のわずかな沈降を示す変化が認めら
れました。

 火山性地震は、多い状態が続いています。

 8月29日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の平均放出量は一日あた
り100トンと少ない状態でしたが、噴火発生後の9月1日の調査では、2
000トンと多い状態でした。

 8月29日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお
りです。

              火山性地震     爆発的噴火
8月29日         100回        0回
8月30日         102回        0回
8月31日         573回        0回
9月 1日         610回        0回
9月 2日(15時まで)  123回        0回
 

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>