火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第94号
平成23年8月5日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(8月1日から8月5日15時)
 霧島山(新燃岳)では、噴火の発生はありません。
 火山性地震はやや多い状態が続いています。振幅が小さく継続時間の短い
火山性微動が時々発生しています。
 遠望観測では、白色の噴煙が火口縁上100mまで上がっていました。

 傾斜計では、4日23時23分の火山性微動の発生に伴い新燃岳側がわず
かに沈降する変化が観測されましたが、5日に実施した聞き取り調査では降
灰は確認されませんでした。

 3日に行った現地調査では、二酸化硫黄の平均放出量は一日あたり100
トン(前回6月24日、1400トン)と少ない状態でした。

 8月1日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとおり
です。
               火山性地震    爆発的噴火
  8月 1日          76回       0回
  8月 2日          33回       0回
  8月 3日          21回       0回
  8月 4日          44回       0回
  8月 5日(15時まで)   14回       0回

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、8日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>