火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第55号
平成23年7月11日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(7月8日から7月11日15時)
 昭和火口では、爆発的噴火が1回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴
石が6合目(昭和火口より300から500m)まで達しました。
 南岳山頂火口では、噴火は発生していません。 
 
 火山性地震は少ない状態です。噴火に伴う火山性微動が発生しています。

 本日(11日)、九州地方整備局の協力を得て行った上空からの調査では
、昭和火口の火口底に赤熱した少量の溶岩を確認しました。現在、火山灰の
噴出量や地殻変動に特段の変化はないことから、大量のマグマが桜島直下に
移動した可能性は低く、ただちに火口外に溶岩を流出することはないと考え
られます。

 7月8日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)は
以下のとおりです。
             火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 7月 8日          6回     2回     0回
 7月 9日          1回     2回     0回
 7月10日          8回     9回     1回
 7月11日(15時まで)   3回     0回     0回

  

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。
 降雨時には土石流に注意が必要です。

  次の火山の状況に関する解説情報は、15日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>