火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第55号
平成23年4月4日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(4月1日から4月4日15時)
 霧島山(新燃岳)では、3日08時41分に小規模な噴火が発生し、噴煙
の最高高度は火口縁上3000mで、東に流れました。
 高千穂河原と湯之野観測点の傾斜計では、3日の噴火に先行して、1日0
7時頃から新燃岳側が隆起する変化が観測され、噴火に伴い沈降に転じ、隆
起変化以前の状態に戻りました。

 火山性地震は、1日から3日にかけて多い状態でしたが、噴火の発生以降
は少なくなっています。3日08時41分の噴火に伴い、振幅のやや大きな
火山性微動が発生し09時06分に終了しました。 

 2日に実施した現地調査では二酸化硫黄の放出量は1日あたり200トン
(前回3月30日、200トン)と、少ない状態でした。

 4月1日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとおり
です。

              火山性地震     爆発的噴火
4月 1日           57回        0回
4月 2日          363回        0回
4月 3日          307回        0回
4月 4日(15時まで)     2回        0回
 

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

 
 次の火山の状況に関する解説情報は、4月8日(金)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>