火山名 桜島 噴火警報(火口周辺) 平成20年7月14日15時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <桜島に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を発表> 桜島では、火口から2km程度の範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低く なりました。 <噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引下げ> **(本 文)** 1.火山活動の状況及び予報警報事項 昭和火口では、4月8日から6月13日にかけて爆発的噴火を含む噴火が 断続的に発生しました。6月14日以降は、6月28日、7月10日、7月 14日に小規模な噴火がありましたが、噴火回数は減少しています。また、 これ以外の日は、ごく少量の白色噴煙を高さ100mから400mまで上げ ています。 南岳山頂火口では、5月20日と7月5日にそれぞれ1回の爆発的噴火が ありましたが、今年の噴火回数は3回と比較的静穏に推移しています。 火山性地震及び火山性微動は少ない状態が続いており、山体の膨張を示す 地殻変動も観測されていません。 これらのことから、桜島の噴火活動は活発化する傾向にないと判断され、 噴火警戒レベルを3から2に引き下げます。 今後、昭和火口及び南岳山頂火口の周辺に、大きな噴石を飛散させる程度 の小規模な噴火が発生すると予想されますので、これらの火口周辺では噴火 に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。 なお、昭和火口の噴火活動は、2006年6月の噴火以降、全体的には次 第に活発化している傾向が見られます。今後の火山活動の推移に注意する必 要があります。 2.対象市町村等 鹿児島県:鹿児島市 3.防災上の警戒事項等 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石(火山れき)に注意が必 要です。 降雨時には泥流や土石流に注意が必要です。 <噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引下げ> **(参考:噴火警戒レベルの説明)** 【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。 【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、災害時 要援護者の避難等が必要。 【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制 等。状況に応じて災害時要援護者の避難準備等。 【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。 【レベル1(平常)】:特になし(状況に応じて火口内への立入規制等)。 (注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる) (補足:平成19年12月1日から噴火予報・噴火警報を発表しています。 今回の警報は、従来の火山観測情報に相当します)