硫黄島 有史以降の火山活動

有史以降の火山活動(▲は噴火年を示す)

年代 現象 活動経過・被害状況等
▲1889(明治22)年または1890(明治23)年 水蒸気噴火 噴火場所は千鳥ヶ穴。長径50mの火口形成。
▲1922(大正11)年 水蒸気噴火 7月。噴火場所は西海岸旧噴火口(ミリオンダラーホール?)。
▲1935(昭和10)年 水蒸気噴火 噴火場所は千鳥ヶ原滑走路の南西端付近。
▲1944(昭和19)年 水蒸気噴火 12月。噴火場所は北の鼻のマッドピット?
▲1957(昭和32)年 ごく小規模:水蒸気噴火 3月28日。噴火場所は千鳥ヶ原滑走路の南西端付近。火口の直径100m、噴出物約100mの範囲。(VEI0)
▲1967(昭和42)年 小規模:水蒸気噴火 12月23日。噴火場所はミリオンダラーホール。火口の直径30~40mのもの2ヶ所。噴出物100m×200mの範囲。(VEI1)
▲1968(昭和43)年 水蒸気噴火 6月20日。噴火場所は元山噴気孔。泥水噴出。
▲1969(昭和44)年 水蒸気噴火 1月12日。噴火場所はミリオンダラーホール。1月8~12日噴気、西海岸ミリオンダラーホールの北側から噴気、付近の地割れ。
▲1969(昭和44)年 水蒸気噴火 11月または12月。噴火場所は金剛岩。
 1975(昭和50)年 泥噴出 11月。北ノ鼻マッドピットで泥噴出。
12月24日~翌年1月14日。阿蘇台陥没孔で熱泥水噴出。
▲1978(昭和53)年 水蒸気噴火 12月11日。噴火場所は阿蘇台陥没孔。
▲1980(昭和55)年 水蒸気噴火 3月13日。噴火場所は北の鼻泥噴地。
▲1982(昭和57)年 水蒸気噴火 3月9、10日。火砕物降下。噴火場所は井戸ヶ浜(硫黄島北西岸)。
11月28、29日頃。火砕物降下。噴火場所は阿蘇台陥没孔。
海水変色 12月頃。噴火場所は翁浜沖合約500m付近。
南海岸沖合約500m付近にエメラルド色の変色水。
▲1993(平成5)年 海水変色、熱 10月。千鳥ヶ原(通称:沈船海岸)で高温域の発生。
11月15、16日、噴火(場所は馬背岩と箱庭浜の間の海中)。
11月15日に砂混じりの湧出現象(海面の盛り上がりはない)、11月16日には沖合約2kmまで黄緑色の変色域の広がりを観測。
▲1994(平成6)年 水蒸気噴火 8月22日。噴火場所は離岩温泉跡。
▲1999(平成11)年 水蒸気噴火 9月10日。噴火場所は阿蘇台陥没孔。
▲2001(平成13)年 水蒸気噴火 9月21~22日。火砕物降下、(漂着軽石)。噴火場所は硫黄島の南東沖約200m地点。
水蒸気噴火 10月19~23日。火砕物降下。噴火場所は井戸ヶ浜(硫黄島北西岸)。
▲2004(平成16)年 水蒸気噴火 6月6、8日。火砕物降下? 噴火場所は阿蘇台陥没孔。
 2007(平成19)年 泥噴出 12月19日から20日にかけての夜間に、阿蘇台陥没孔で熱泥水噴出。
▲2012(平成24)年 ごく小規模:水蒸気噴火、噴気異常、海面変色 2月上旬、ミリオンダラーホールで、噴出口から南東方向に最大100m程度の距離まで泥噴出。
3月7日08:20頃に泥噴出。
4月5日午後~6日午後、間欠的な音の発生とガス噴出。
4月27日~28日に地震活動が活発化、島全体の隆起。28日以降、地震活動はやや低下傾向、島内の地殻変動も沈降に転じる。29日以降は火山性微動が断続的に発生。その後、地震活動や火山性微動の発生は低調となる。
29日から30日にかけて島の北東沖で変色水域が確認され、同海域で海底噴火が発生した可能性がある。為八海岸の崖の一部の新しい崩落箇所からごく少量の噴気。崩落場所の海岸付近~北の鼻の沿岸で、高温域の分布。同海岸の沖数百m付近の海面に変色水が湧昇。北ノ鼻付近から為八海岸付近に薄緑色の変色水を視認。離岸温泉跡で湯だまり。
7月9日12:15頃、白色の噴煙(約15m)を確認。その後ミリオンダラーホールの周囲数十mに泥が飛散した痕跡が確認された。
8月上旬の調査によれば、井戸ヶ浜では2001年噴火口跡の不明瞭化、海岸線の形状変化等の地形変化が認められ、摺鉢山では、これまでより広範囲で噴気が観測された。
9月7日17:00頃、島西海岸の沈船群付近で直径約10mの陥没孔を確認。陥没孔の中は乳白色の湯だまりとなっており、水面までの深さは約40cm~2m(9月15日には当該陥没孔は波による砂で埋まり、湯だまりも消失)。
12月1日、ミリオンダラーホールから東に10m程度の範囲で泥噴痕を確認。同日04:12頃から約21分間、振幅のやや大きい火山性微動が発生しており、確認時に泥噴痕が水分を含み新鮮な様子であったことから、この時間帯にごく小規模な水蒸気噴火が発生したと推定。
▲2013(平成25)年 ごく小規模:水蒸気噴火、海面変色 2月中旬、3月上旬、4月中旬、ミリオンダラーホールでごく小規模な水蒸気噴火。8月下旬、島北部の北の鼻(北東から北の沖合)で海底噴火と推測される変色水を確認。
 2014(平成26)年 泥噴出 12月16日、天山付近で黒茶色噴煙、泥噴出。
▲2015(平成27)年 ごく小規模:水蒸気噴火、噴気異常 5月22日、24日及び6月20日に島北西部の井戸ヶ浜で水蒸気の噴出。火口周辺で泥の飛散の他、火口から20m程度の場所で50cm程度の大きさの噴石を確認。
8月7日に島北部の北の鼻付近でごく小規模な水蒸気噴火。8月17~19日の現地調査により、火口から西側700~800m程度の範囲まで泥が飛散し、火口から噴気はないが火口東側で噴気を確認。8月27日には20~30m程度の噴気。8月7日の噴火に伴う火山性微動を観測。
8月18、25、26日、ミリオンダラーホールで白色噴煙。
▲2016(平成28)年 ごく小規模:水蒸気噴火 2015年8月から2016年9月の間、井戸ヶ浜でごく小規模な噴火。
8月31日~9月1日の間に阿蘇台陥没孔でごく小規模な水蒸気噴火が発生したと推定。陥没孔近傍50m程度の範囲で噴石を確認。
 2017(平成29)年 泥噴出 6月20~25日の間、阿蘇台陥没孔北側で約60mにわたり泥が噴出。
 2018(平成30)年 土砂・湯噴出 2月、3月、馬背岩付近の噴出孔から土砂噴出(土砂混じりの海水を高さ4~5m程度噴出)。噴出孔のある小湾から40m程度の範囲に10~40cm程度の噴石(噴出時期不明)。9月、馬背岩付近の湯の噴出を確認。
3月の現地調査で、阿蘇台陥没孔の周囲に泥の噴出を確認。
▲同上 海底噴火 9月8日から地震活動が活発化し、11日から13日に連続的な火山性微動、同時期にGNSS連続観測で急激な隆起を観測。9月12日に翁浜沿岸で海面から5~10mの高さまで海水が噴出しているのが確認され、海底噴火が発生したと推定。
 2019(令和元)年 泥噴出・噴石 7月、馬背岩から南に約500mで泥流状噴出物や噴石を確認。

日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)による。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考に、文献の追記を行った。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。



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