新潟焼山[にいがたやけやま] Niigata-Yakeyama【常時観測火山】
北緯 36°55′15″ 東経 138°02′09″ 標高 2,400m (焼山)(三角点) |
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新潟焼山全景 北側から 2003年9月29日 気象庁撮影 |
概要
新潟焼山火山は新潟県西部に位置し、標高2000m 前後の山地を基盤とする比高約400mのドーム状の小型成層火山である。新第三紀層(標高約2000m)を基盤とする安山岩・デイサイトの火山で山頂部は溶岩ドーム、北方に溶岩流・火砕流が流下している。山体の形成は新しく、1773年の噴火でも火砕流を発生。その後の噴火は水蒸気爆発と推定される。泥流を生じやすい。山頂部には噴気孔がある。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
新潟焼山火山は、今から3000年前ごろに第1期の活動が始まり、その後約1000年前に第2期の活動、約650年前に第3期の活動、1773年に第4期の活動が始まった。第1期の活動では、火山灰の放出と火砕流、溶岩流の流出が起こった。第2期の活動は新潟焼山における最大規模の活動で、日本海にまで達する火砕流と長さ6.5kmの溶岩が流出した。第3期の活動でも火山灰の放出と火砕流の流出が起こり、このときの火砕流も海まで1.5kmの地点にまで達した。この活動の最後に、現在の山頂である溶岩ドームが形成された。第4期の活動のうち、1773年の活動は爆発的な噴火で始まり、その後に火砕流も流出したが、先の2つの時期に流出した火砕流よりは小規模であった。この噴火以降にはマグマ噴火は起こっていないが、19世紀の中頃には大量の硫黄が噴出、その後20世紀に入っても小規模な水蒸気爆発が発生している。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 新潟焼山 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関の協力の下、新潟焼山の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 新潟焼山の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 新潟焼山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。