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火山性地震火山性地震

 火山性地震はその特徴からA型地震、B型地震、爆発地震に分けられます。
 下に模擬波形とそれぞれの波形について説明しますが、最近の観測精度の向上で必ずしもこの条件に当てはまらないことがあるとわかってきました。 最近の傾向としては高周波地震と低周波地震に分類する方法も多く用いられるようになっています。 従来のA型B型の分類を引き継いでB型で高周波が卓越する地震をBH型、B型で低周波が卓越する地震をBL型と分類する方法も用いられます。 また富士山で話題になった深部低周波地震(DL型)と呼ばれるものもあります。
左からA型地震の波形、B型地震の波形、爆発地震の波形


火山性地震(その1:A型地震)
 (1)記象はほぼ三角形をしている
 (2)波動の周期が短い
 (3)P、S相の発現時が識別しやすい
 (4)火山体上に設置した地震計では、P~S時間が一般に数秒以内の地震として観測される
 (5)S相の近くに最大動が現われる
 (6)発現時に噴火・噴煙などの火山の表面現象は伴わない
 (7)震源は比較的深いとされる(1~10km)

火山性地震(その2:B型地震)
 (1)記象はほぼ紡錘形をしている
 (2)波動の周期は火山性地震(その1)のものと比べて一般的に長い
 (3)P、S相の識別、および発現時の判定が困難である
 (4)震源は比較的浅いとされる(1km程度)

火山性地震(その3:爆発地震)
 (1)噴火の衝撃による地震で。噴火地震または爆発地震と呼ばれている
 (2)記象は三角形に近いが、振幅の変動が見られる
 (3)ほとんど同じ周期の波動が卓越する
 (4)P相の発現時は識別しやすいが、S相は識別がしにくい
 (5)同時に空振波や特殊な表面波も記録することが多い

***補足***
 A型地震の波形は一般の地震と見た目で区別は付きません。 火山の近くに震源を求められるものを火山性地震として分類しており、 阿蘇山の場合はP~S時間が3秒以内の地震を火山性地震のA型としてカウントし、P~S時間が3秒以上の遠地地震と区別しています。
 B型地震や深部低周波地震は火山独特のものです。
 爆発地震や採石場などでの発破はすべての観測点で「押し」の波から来ます。