開聞岳[かいもんだけ] Kaimondake
北緯31°10′48″ 東経130°31′42″ 標高924m (開聞岳)(測定点) |
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![]() 開聞岳全景 南東側より 2007年12月6日気象庁撮影 |
概要
玄武岩の成層火山の頂部に安山岩の溶岩ドームが存在。遠望すると、両者が連続して単純な成層火山のようにみえるため、薩摩富士とも称される。 活動は約4400年前にはじまり、最後の溶岩ドームの生成は9世紀(885年)。玄武岩~安山岩のSiO2量は50.6~56.5 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
開聞岳は、約4,400年前(奥野, 2002)に噴火を始めた。初期の活動は、浅海域での水蒸気マグマ噴火であった。 溶岩を流出する噴火を繰り返し、約2,500年前には現在とほぼ同じ規模の山体が完成していたものと推定されている。 約2,000年前と1,500年前の活動では噴出量が多く、成層火山体の形成に大きく寄与した。 その後、歴史時代の874年及び885年の噴火で山頂付近の地形が大きく変化し、噴火末期に火口内に溶岩ドームが形成された。 また、開聞岳南方沖海底には、開聞岳付近を発生源とする岩屑なだれ堆積物の地形がみられる。 側端崖、先端崖、流れ山の地形が明瞭であるが、発生源の崩壊地形は成層火山に覆われて全く見えない。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 開聞岳 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。 また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。 詳しくはこちらを参照のこと。