平成20年9月11日の十勝沖の地震で発表した津波注意報について

地震の概要

平成20年(2008年)9月11日09時20分、十勝沖の深さ31kmでM7.1の地震が発生した。 この地震は、太平洋プレートと陸のプレートとの境界で発生した地震で、発震機構(気象庁CMT解) は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。(地震の詳細は、平成20年9月地震・火山月報(防災編)を参照)

震源要素
震源時刻(日本時間) 震央地名 緯度 経度 深さ Mw
2008年9月11日 09時20分 十勝沖 北緯41度46.5分 東経144度09.0分 31km 7.1 6.7

十勝沖周辺の震央分布図(2001年1月1日~2008年9月30日、M2.0以上、深さ200km以浅)
今回の地震の震央分布図
表示した震央は、2001年1月1日~2008年9月30日、M2.0以上、深さ200km以浅の地震である。

発表した津波注意報の概要

この地震に対して発表した津波注意報は、以下のとおりである。

発表時刻 概要 発表予報区
9月11日 09時24分 北海道から岩手県にかけての太平洋沿岸に津波注意報発表 津波注意報:北海道太平洋沿岸東部、北海道太平洋沿岸中部、青森県太平洋沿岸、岩手県 津波注意報発表予報区(地図、png形式)
10時45分 全ての津波注意報解除 全ての予報区

津波の観測

各予報区における予想した津波の高さと、観測された津波の高さ
津波予報区 予報(津波の高さ) 予報区内で観測した津波の高さの最大
北海道太平洋沿岸東部 津波注意報(0.5m) 6cm
北海道太平洋沿岸中部 津波注意報(0.5m) 18cm
青森県太平洋沿岸 津波注意報(0.5m) 7cm
岩手県 津波注意報(0.5m) 17cm
黄は「津波注意報」のグレードであることを示す。

検潮所で観測した津波検潮所で観測した津波

詳細は、下記資料をご覧下さい。

津波予測の評価

津波注意報は地震発生の約4分後の09時24分に発表した。気象庁が津波を観測している検潮所においては、 津波の高さは津波注意報レベルに達した観測点はなかった。地震調査委員会(平成20年10月10日)の北海道大学の資料によれば、 北海道大学のえりも港検潮所において全振幅で約80cmの津波が観測されている。 浦河での最大波の発現時刻は10時50分と津波注意報の解除から5分後であるが、津波注意報基準の20cmに達しない高さであり、解除時刻については適切であったと考える。

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本ページ内の図の作成にはGMT(Generic Mapping Tool[Wessel,P., and W.H.F.Smith, New, improved version of Generic Mapping Tools released, EOS Trans. Amer. Geophys. U., vol.79 (47), pp.579, 1998]) を使用しています。