平成20年7月19日の福島県沖の地震で発表した津波注意報について

地震の概要

平成20年(2008年)7月19日11時39分、福島県沖の深さ32kmでM6.9の地震が発生した。この地震は、太平洋プレートと陸のプレートとの境界で発生した地震で、発震機構(気象庁CMT解)は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。(地震の詳細は、平成20年7月地震・火山月報(防災編)を参照)

震源要素
震源時刻(日本時間) 震央地名 緯度 経度 深さ Mw
2008年7月19日 11時39分 福島県沖 北緯37度31.2分 東経142度15.8分 32km 6.9 6.9

福島県沖の震央分布図(1923年8月1日~2008年7月31日、M6.0以上、深さ150km以浅)
今回の地震の震央分布図
表示した震央は、1923年8月1日~2008年7月31日、M6.0以上、深さ150km以浅の地震である。

発表した津波注意報の概要

この地震に対して発表した津波注意報は、以下のとおりである。

発表時刻 概要 発表予報区
7月19日 11時41分 宮城県から福島県にかけての太平洋沿岸に津波注意報発表 津波注意報:宮城県、福島県
津波注意報発表予報区(地図、png形式)
13時20分 全ての津波注意報解除 全ての予報区

津波の観測

各予報区における予想した津波の高さと、観測された津波の高さ
津波予報区 予報(津波の高さ) 予報区内で観測した津波の高さの最大
宮城県 津波注意報(0.5m) 23cm
福島県 津波注意報(0.5m) 15cm
黄は「津波注意報」のグレードであることを示す。 主な検潮所で観測した津波
主な検潮所で観測した津波(10cm以上の津波を観測した検潮所を示す)。

詳細は、下記資料をご覧下さい。

津波予測の評価

津波注意報は、緊急地震速報による震源とマグニチュードを使い、地震発生後約2分で発表された。実際に観測された津波の高さもほぼ予想の通りであった。 東北大学大学院工学研究科災害制御研究センター津波工学研究室によると、宮城県の検潮所で津波注意報解除後に最大波が観測された。これは仙台湾での反射波が重なった結果ではないかと考えられている。現在の津波予測技術では、このような後続波を精度よく予想することは困難であり、今後の検討が必要である。

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本ページ内の図の作成にはGMT(Generic Mapping Tool[Wessel,P., and W.H.F.Smith, New, improved version of Generic Mapping Tools released, EOS Trans. Amer. Geophys. U., vol.79 (47), pp.579, 1998]) を使用しています。