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2.正確な震度観測を行うために
 ―震度計の設置方法・設置場所について―


 気象庁では、震度観測の信頼性を確保するため、震度計が満たすべき性能の技術基準を定めています。また、設置場所や設置方法等の設置環境についても評価基準を定めており、平成20年度に開催された、学識経験者及び行政委員より成る「震度に関する検討会」における震度計設置環境基準に関する検討結果を受けて、新しい震度計設置環境基準を定め、その改善に努めています。

(1)設置場所について

崖等の段差付近に関する条件

平坦ではない地形で崖等の段差となっている場所においては、高さによらず、強震時に崩壊の危険が推測される場所、段差端の近傍などで脆弱な土留め部分を避ける必要がある。また、大きな揺れで崩壊の危険が推測されるなど不安定な設置場所なども回避しなければならない。以下の点に留意して設置場所の選定を行う。

  • 崖等の段差の上部では、斜面の端部の効果により揺れが大きくなったり、地盤が緩んで大きな揺れになったりする場合があること、斜面の崩落のおそれがあることから、段差の上端から高さと同程度以上離した場所、及び下端付近から高さの3倍程度以上離した場所とするのが望ましい。
  • 崖等の段差の直下では、揺れが小さくなるなど周辺と異なった揺れとなったり、斜面の崩落の恐れがあることから、段差の下端付近で高さ程度以上離れていることが望ましい。

 崖等の段差の上部において、上記の条件を満たさない場所であっても、常時微動測定や地盤調査等によって、地盤の緩みや崩壊の危険性がないことを確認するとともに、周辺の適切な地盤における揺れと同等である場合には、設置場所としても良いこととする。
 そのうえで、崖等の崩壊を防ぐために斜面およびその周辺地盤の対策がなされている場合には、崖等の段差の上部、下部における崩落危険条件対象から外しても良いこととする。

段差条件模式図

 崖等の斜面が1つではなく、いくつかの段になっている場合には、段がその上部の斜面の高さの3倍の広さを持っている場合には別の斜面として取り扱うが、それよりも狭い場合には一体とした斜面として取り扱うこととする。
 斜面の途中に震度計を設置すると、特殊な揺れになること、また斜面がすべり破壊を起こして観測ができなくなることが考えられ、このような場所に震度計を設置しないことが望ましい。

斜面途中の震度計

 なお、免震構造物の近傍の地表の地盤に設置する場合には、免震ピットを崖等の段差として判断して、設置する地点を検討する。

免震ピット模式図

(2)設置場所の地盤について

地盤に関する条件

 旧河道や池・沼などを埋め立てた跡、台地や山地等の谷など、その場所のみに見られる特殊な地盤への設置は、局所的な揺れとなるため避ける。
 このような特殊な地盤は、新旧の地形図や航空写真、治水地形分類図等の地形図により確認することができる。治水地形分類図については、国土地理院ホームページ(http://www1.gsi.go.jp/geowww/lcmfc/lcmfc.html)を参照。

 また、盛土などにおいて地盤の軟らかさが不明の場合は、スウェーデン式サウンディング等の簡易的調査やボーリング調査、または表面波探査、常時微動測定等の物理探査手法を用いるなどして、地盤の強度を判定する。

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