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2.正確な震度観測を行うために
 ―震度計の設置方法・設置場所について―


(3)建物周辺への設置について

 建物周辺は、建物の建設に伴い埋め戻した地盤であったり、地下埋設管等が埋設されている場合があり、注意を要する。埋め戻した地盤に震度計を設置する場合には、地盤を十分転圧して硬くしたところに、震度計台の設置方法に従って設置することが必要である。また、地下埋設管等の有無についても確認する。震度観測に影響のある地下埋設管が存在することが分かった場合には、震度計の設置を避ける。
 建物の犬走りに設置する場合には、犬走りのコンクリートに鉄筋が入っており、ひび割れがない強固な場所に設置するのが望ましい。
 コンクリートに鉄筋が入っておらず、ひび割れが生じている場合には、補強工事を行うか、設置を避ける。

(4)空洞や地下タンク、地下埋設管について

 震度計台の直下付近に空洞や地下タンク、地下埋設管等がある場合、これらの局所的な影響を受ける恐れがあるため、そのような場所は避ける必要がある。地下タンク等の構造物からは最低限、奥行きの1/10以上かつ1m以上は離すことが望ましい。
 また、震度計台の直下に地下埋設管がある場合、埋設管周辺の地盤が緩んでいることがあるので、直上付近は避ける必要がある。
 建物の近傍は地下埋設管が多いことから、それらの有無について、設計図面や目視等により確認するか、レーダー探査等の物理探査、または手堀による調査を行って確認する。なお、径が数cm程度の地下埋設管であれば、震度観測には影響がないと考えられるので、震度計設置を検討してもよい。以上の調査によって地下埋設管が確認できない場合には、常時微動測定等を行い、震度観測に影響がないことを確かめる。

空洞や地下タンク、地下埋設管の模式図

(5)柱状構造物等について

 震度計の近傍に柱状構造物(鉄塔やポール、樹木など)がある場合には、これらの揺れが震度観測に影響を及ぼす恐れがあるため、できるだけ距離をとっておく方がよく、柱状構造物の高さに相当する距離を離しておくことが理想である。
 なお、樹木については、当初設置したときに小さな木であっても、後年大きくなり影響を与えることがないように十分距離をとっておく必要がある。

柱状構造物等模式図

(6)花壇等について

 花壇等への設置については、局所的に特殊な揺れとなる可能性があるため避けた方が望ましい。
 やむを得ず設置する場合、花壇等の盛土の下の本来の地盤下に震度計台を埋設したり、パイルを打って本来の地盤との結合を強固にするなどの工夫が必要である。

花壇等模式図

(7)駐車場への設置について

 駐車場内に設置する場合は、車の衝突などの恐れがあることから、保護柵を設置するなどの対策を講じる。

)駐車場設置模式図

(8)建物内への設置について

 建物内に震度計を設置する場合には、強い揺れになった場合でも倒壊しない堅牢な建物を選ぶ。
 なお、免震構造や制震構造など人工的に震動を制御する機構を持った建物は、強震時に建物が大きく揺れるのを回避することを目的としており、明らかに地震動と異なる揺れが想定されるので、避ける。ただし、地盤側の基礎に震度計が設置してあり、建物周辺の適切な場所と観測結果が同等であれば、観測しても良い。
 また、建物固有の揺れによる影響を避けるため、3~4階建てまでの建物を基本とする。
 設置する階数は、建物の上層階ほど揺れが大きくなることから、1階とし(※)、下に床下や中空階などの空間がなく、梁や基礎等がある強固な場所に設置することを推奨する。
 地下では、深くなるほど揺れが小さくなる傾向があることから、震度計の設置を避けるべきであるが、理想的な地盤との記録に差がないことを確認できる場合には設置しても良いこととする。

(※傾斜地に建てられた建物では、1階が地階または2階に相当する等の場合があるが、このようなケースでは、人の多い、通常1階として用いている階に設置することを基本とする。)

 震度計を設置する床面は、強震時に破壊されないよう、強固なコンクリート床面などを選ぶ。強度に影響がありそうな、ひび割れ等の損傷が見られる床面は避ける。

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