群列地震観測システム

群列地震観測システム
 群列地震観測システムは、下図のように松代周辺の直径約10kmの円周上に6か所、円の中心付近に2か所の計8か所に設置した地震観測点と、これらのデータを収集、処理するため当観測所に設置された装置からなるシステムで、昭和58年(1983年)に運用を開始しました。
 8か所の地震観測点のうち、松代の観測点には、大坑道内部に短周期地震計を設置し、松代以外の7か所の観測点には、短周期地震計を地表の雑振動を軽減するため地下40~70mに設置して観測を行なっています。
 これら観測点のデータは、専用回線等でリアルタイムに本庁へ送られ、観測点毎の地震波のわずかな到達時刻差から地震波の到来方向と距離、振幅から地震の規模を求めています。
 一般に、震源の位置や地震の規模を求めるには、より震源に近い、複数の観測点のデータが用いられますが、当観測所の群列地震観測システムは、松代周辺に設置した8か所の地震観測点のデータだけで、近傍で発生する微小な地震から、ある程度規模の大きな地震であれば、世界中の地震の震源を決めることができます。
群列地震観測システム観測点地図

※地図作成にはGMT (Generic Mapping Tool; Wessel, P. and W. H. F. Smith, New, improved version of Generic Mapping Tools released, EOS Trans. Amer. Geophys. U., Vol. 79 (47), pp. 579, 1998)を使用しています。