国際的な津波監視体制

北西太平洋津波情報

 「北西太平洋津波情報」は、北西太平洋域において大きな地震(マグニチュード6.5以上)が発生した場合に、気象庁の北西太平洋津波情報センターから関係各国の防災機関に対して提供する情報です。 この情報では、地震の発生時刻、発生場所(震源)及びその規模(マグニチュード)、津波が発生する可能性の有無に加え、津波が発生する可能性がある場合には、あらかじめ指定した沿岸地点で予想される津波の到達時刻及び高さを発表します。
 北西太平洋津波情報センターは、平成17年3月に北西太平洋津波情報の提供を開始しましたが、平成18年7月からは対象領域を拡大して、南シナ海についても暫定的に提供しています。 同センターは、世界各地のリアルタイム地震観測データを用いて震源及びマグニチュードを素早く計算し、データベースとして保存された数値シミュレーション結果を用いて、沿岸の予測地点における津波の到達時刻及び高さを予測します。この結果をもとに北西太平洋津波情報を作成し、関係各国の防災機関に提供します。また、情報発表後も北西太平洋域の潮位データをリアルタイムで収集・監視し、実際に津波が観測された場合はその観測値もあわせて発表します。さらに、その後の地震観測データの解析により地震のメカニズムが判明した場合には、それを用いて数値シミュレーションをリアルタイムで実施し、その結果を北西太平洋津波情報の続報として発表します。
 このようにして同センターより発表された北西太平洋津波情報は、それを受領した関係各国の防災機関が、予想される津波に対する国内への津波警報発表や住民への避難勧告などの緊急津波防災措置を行うために活用されます。

北西太平洋津波情報センターによる監視・情報発表体制

北西太平洋津波情報の提供先各国

ブルネイ、カンボジア、中国、ミクロネシア、フランス(仏領ポリネシア)、インドネシア、マレーシア、パラオ、パプアニューギニア、フィリピン、韓国、ロシア、シンガポール、ソロモン諸島、タイ、ベトナム


<参考> ICG/PTWSについて
 気象庁による北西太平洋津波情報の提供は、ICG/PTWSという国際的な組織の下での活動です。 ICG/PTWSは、その正式名称を「太平洋津波警戒・減災システムのための政府間調整グループ(Intergovernmental Coordination Group for the Pacific Tsunami Warning and Mitigation System)」といいます。 ICG/PTWSは、1960年のチリ地震により発生した津波が太平洋全域に甚大な被害を与えたことを契機として、太平洋において発生する地震や津波に関する情報を各国が交換・共有することにより太平洋諸国の津波防災体制を強化することを目的として設立された、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間海洋学委員会(IOC: Intergovernmental Oceanographic Commission)における下部組織のひとつです。 太平洋においては、米国・ハワイの太平洋津波警報センター(PTWC: Pacific Tsunami Warning Center)が太平洋全域の地震・津波の監視を行っていますが、気象庁は、対象領域をより限定し北西太平洋諸国のニーズに応じた情報を提供する地域センターとして、北西太平洋津波情報センター(NWPTAC:Northwest Pacific Tsunami Advisory Center)を運営し、ICG/PTWSの活動に貢献しています。 北西太平洋津波情報では、PTWCの情報には含まれない、予想される津波の高さも発表しています。 なお、太平洋における地域センターには、北西太平洋津波情報センターの他に、ハワイを除く北米大陸沿岸を担当する、米国津波警報センター(NTWC: National Tsunami Warning Center)があります。

太平洋における津波防災体制

最近発表した情報(英文)

このページのトップへ

本ページ内の図の作成にはGMT(Generic Mapping Tool[Wessel,P., and W.H.F.Smith, New, improved version of Generic Mapping Tools released, EOS Trans. Amer. Geophys. U., vol.79 (47), pp.579, 1998]) を使用しています。