地震防災対策強化地域判定会会長会見

 気象庁では、いつ発生してもおかしくない状態にある「東海地震」を予知すべく、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況を監視しています。また、これらの状況を定期的に評価するため、地震防災対策強化地域判定会を毎月開催しています。本資料は本日開催した判定会で評価した、主に前回(平成26年8月25日)以降の調査結果を取りまとめたものです。次回は10月27日を予定しています。
 なお、下記調査結果は本日17時00分に「東海地震に関連する調査情報(定例)」として発表しています。

報道発表日

平成26年9月29日

概要

 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。

本文

最近の東海地域とその周辺の地殻活動

 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。

1.地震の観測状況
 浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度の低い状態が続いています。
 8月30日から9月5日にかけて愛知県西部でプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しました。

2.地殻変動の観測状況
 GNSS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向は継続しています。
 平成25年はじめ頃から、静岡県西部から愛知県東部にかけてのGNSS観測及びひずみ観測で、通常とは異なる変化が継続的にみられており、水準測量の結果でも同時期に浜名湖周辺がわずかに隆起する結果が得られています。
 また、8月30日から9月5日にかけて愛知県、静岡県及び長野県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しました。

3.地殻活動の評価
 平成25年はじめ頃から継続的に観測されている通常とは異なる地殻変動は、東海地震の想定震源域の縁辺部にあたる浜名湖付近のプレート境界で「長期的ゆっくりすべり」が発生している可能性を示しています。ほぼ同じ場所では、「長期的ゆっくりすべり」が、平成12年秋頃から平成17年夏頃にかけて発生し、それ以前も十数年程度の間隔で繰り返し発生していたとみられます。また、今回の通常とは異なる地殻変動が全て「長期的ゆっくりすべり」に起因しているとしても、累積のすべりの規模(Mw6.5程度)は、平成12年秋頃からの「長期的ゆっくりすべり」の最終的な 規模(Mw7.1程度)に比べ小さいといえます。
 そのほかに東海地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られていません。
 一方、上記の8月30日から9月5日にかけて観測した深部低周波地震(微動)及びひずみ観測点で観測した地殻変動は、愛知県西部の、想定震源域より深いプレート境界において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
 以上のように、現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。
 なお、GNSS観測の結果によると「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」による余効変動が、小さくなりつつありますが東海地方においてもみられています。




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問い合わせ先

地震火山部 地震予知情報課
電話:03-3212-8341 (内線)4576

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