地震防災対策強化地域判定会会長会見(定例)
気象庁では、いつ発生してもおかしくない状態にある「東海地震」を予知すべく、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況を監視しています。また、これらの状況を定期的に評価するため、地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会を毎月開催しています。本資料は本日開催した打合せ会における委員の意見提供等を受けて、現在の状況を取りまとめたものです。
報道発表日
平成21年8月31日
概要
8月11日に駿河湾でマグニチュード(M)6.5の地震が発生しましたが、余震は次第に減少しています。その他の東海地域の地震活動及び地殻変動の状況には特別な変化はみられず、現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
本文
第280回地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会記者説明コメント
最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動
8月11日に駿河湾でマグニチュード(M)6.5の地震が発生しましたが、余震は次第に減少しています。その他の東海地域の地震活動及び地殻変動の状況には特別な変化はみられず、現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
8月11日に駿河湾の深さ23kmを震源とするマグニチュード(M)6.5の地震(以下、駿河湾の地震)が発生しました。
この駿河湾の地震は、想定東海地震とは発震機構が異なり、圧力軸が北北東―南南西方向の、横ずれ成分をもつ逆断層型で、フィリピン海プレート内で発生した地震です。余震はしだいに減少しています。
浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では地震の発生頻度が引き続き少ない状態になっています。一方、静岡県中西部の地殻内では地震活動がやや活発な状態が続いています。その他の地域では概ね平常レベルです。
2.地殻変動の状況
8月11日の駿河湾の地震により、東海地域の歪計では、地震発生時に通常みられるステップ状の変化が観測され、その後、ゆっくりとした歪の変化が続きました。この変化は、想定断層面で発生するすべりによるものではないと考えられます。ゆっくりとした変化はしだいに小さくなり、8月11日11時頃には通常のレベルになりました。
GPS観測及び水準測量の結果によると、今回の地震にともなって、駿河湾周辺で水平及び上下の小さな地殻変動が観測されたほかは、特別な変化は観測されていません。
一方、御前崎の長期的な沈降傾向についてはこれまでと同様に継続しています。
問い合わせ先
地震火山部 地震予知情報課
電話:03-3212-8341 (内線)4576
関連資料
- 1.記者説明コメント及び添付資料[PDF形式:2.3MB]
- 2.気象庁資料[PDF形式:7.2MB]
- 3.国土地理院資料[PDF形式:773KB]
[地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会では、気象庁のほか国土地理院、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人産業技術総合研究所の資料を用いて議論が行われています。また、気象庁の地震活動資料には、防災科学技術研究所や大学等関係機関のデータも使われています。]