地震防災対策強化地域判定会会長会見(定例)
気象庁では、いつ発生してもおかしくない状態にある「東海地震」を予知すべく、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況を監視しています。また、これらの状況を定期的に評価するため、地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会を毎月開催しています。本資料は本日開催した打合せ会における委員の意見提供等を受けて、現在の状況を取りまとめたものです。
報道発表日
平成21年2月23日
概要
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
本文
第273回地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会記者説明コメント
最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
全般的には顕著な地震活動はありません。
静岡県中西部のフィリピン海プレート内ではマグニチュード3.5以上の地震の発生頻度が引き続き少ない状態が続いています。また、浜名湖周辺のフィリピン海プレート内でも地震の発生頻度が引き続き少ない状態になっています。一方、静岡県中西部の地殻内では地震活動が活発な状態が続いています。その他の地域では概ね平常レベルです。
なお、想定震源域周辺の山梨県中・西部で2月16日にマグニチュード3.8、18日にマグニチュード3.5の地震が発生するなどの活動がありましたが、前後に歪計による特別な変化は観測されておらず、東海地震への直接的影響はないと考えられます。また、愛知県のプレート境界付近で2月5日から14日にかけて深部低周波地震が観測されました。
2.地殻変動の状況
全般的には注目すべき特別な変化は観測されていません。
GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。
なお、愛知県のプレート境界付近における「短期的ゆっくり滑り」に起因すると見られる地殻変動が2月6日頃から16日頃にかけて周辺の歪計等で観測されました。この付近では同様の現象が昨年8月末から9月初めにかけても観測されています。
問い合わせ先
地震火山部 地震予知情報課
電話:03-3212-8341 (内線)4576
関連資料
- 1.記者説明コメント及び添付資料[PDF形式:1.6MB]
- 2.気象庁資料[PDF形式:2.5MB]
- 3.国土地理院資料[PDF形式:600KB]
[地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会では、気象庁のほか国土地理院、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人産業技術総合研究所の資料を用いて議論が行われています。また、気象庁の地震活動資料には、防災科学技術研究所や大学等関係機関のデータも使われています。]