推計震度分布図について

推計震度分布図とは

 軟弱な地盤では揺れが大きく、固い地盤では揺れが小さいなど、地表で観測される震度は、地面表層の地盤増幅度の影響を大きく受けます。「推計震度分布図」は、実際に観測された震度等を基に、この地盤増幅度を使用して震度計のない場所の震度も推計(※1)して面的な分布図で震度を表現したものです。分布図は、原則として最大震度5弱以上を観測した場合に発表し、推計震度4以上の範囲を示します。ただし、震度5弱以上を観測していても、強い揺れの範囲に十分な拡がりが見られない場合などは推計震度分布図を掲載しないことがあります。

 ※1 令和5年1月31日以前は1km四方の格子(メッシュ)、翌2月1日以降は250mメッシュで震度を推計します。以下はイメージ(※2)です。

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 ※2 実際の推計震度分布図は、イメージよりも詳細なメッシュとなります。値を求める手法は、こちらをご参照ください。


 地震で観測された地点震度の分布図例と推計震度分布図例の比較を以下に示します。推計震度分布図では、震度の大きな地域がどのような拡がりを持って分布しているかを確認することができます。震度が大きく推計された地域は、河川の流域、沖積平野、湿原地帯などといった揺れやすい地盤を反映していることがあります。大きな震度の面的な拡がりを考慮して、被害状況把握などの参考資料としてご利用ください。

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推計震度分布図の利活用

 推計震度分布図は、地図データとして活用可能な形式で、メッシュごとに推計した震度情報を提供します。このため、地図に重ね合わせて利用することで様々に活用いただけます。気象庁ホームページでは、地図データと重ね合わせて掲載しますので(推計震度分布図(防災情報))、揺れが強かった地域を一目で確認したり、震度計がない地域の震度を速やかに把握することが可能です。

 利活用事例の一つとして、地震発生直後の、応急対応すべき優先箇所の判別に活用可能です。迅速かつ適切な救難ルートの選定や避難場所の選定等に活用いただけます。また、メッシュデータを用いることで、ある地域の建物の被害を推計することや、企業活動において、被災地域に立地する拠点・事業所のBCP対応の判断材料として活用いただくこともできます。

 ある震度が推計された地域において、どのような現象や被害が発生すると想定されるかについては、気象庁震度階級関連解説表をご参照ください。

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利用上の留意事項

 推計震度分布図で示す個々のメッシュの震度は、各メッシュの矩形内が同一震度であることを示すものではなく、またメッシュの境界線が震度の境界でもありません。したがって、分布図を必要以上に拡大してメッシュの境界線を強調してもあまり意味がありません。図を活用する場合、大きな震度の面的な拡がり具合やその形状に着目していただくことが重要です。また、推計された震度の値は、場合によっては1階級程度異なることがあります。


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