ご覧になれる観測データについて
1.高層気象観測データ概要
高層気象観測地点において、レーウィンゾンデ観測、またはGPSゾンデ観測で得られた地上から高度約30kmまでの上空における気温、相対湿度(以下、「湿度」という)、風向、風速等の観測データです。
2.ご覧になれるデータの種類
国内の観測地点は1988年から、昭和(南極)は1959年からのデータがご覧になれます。ただし、仙台・那覇については
2008年3月まで、米子は2010年2月まで、根室は2010年3月まで、釧路・松江は2010年3月からご覧になれます。
高層気象観測は毎日9時と21時に行っており、台風接近時などには3時または15時に臨時観測を行うことがあります。
また、昭和(南極)は、世界気象機関のプロジェクトによる観測強化が実施された期間があります(詳細)。
この期間は、9時、21時(現地時間3時、15時)に加え、3時、15時(現地時間21時、9時)の観測データをご覧になれます(観測回数は日によって異なります) 。
なお、2004年2月までは上空の風向・風速のみを観測するレーウィン観測を3時と15時に行っていました(父島、南鳥島、昭和(南極)は除く)。
*1 指定気圧面とは、次の25の気圧面(hPa)をいいます。
1000, 925, 900, 850, 800, 700, 600, 500, 400, 350, 300, 250, 200, 175, 150, 125, 100, 70, 50, 40, 30, 20, 15, 10, 5
ただし、925hPaが追加となったのは1991年11月1日からです。
*2 気温・湿度の鉛直構造の特徴を再現できるような点を気温湿度特異点といい、 対流圏と成層圏の境界面を圏界面といいます。気温湿度特異点及び圏界面は国際的な取り決めによって選択していますが、その概要は次のとおりです。
【気温湿度特異点】
500hPa面以上の高さで、ある面とそれより上2km以内の面間の平均気温減率がすべて2.0℃/kmを超えない面を「第1圏界面」とする。「第1圏界面」の上のある面とその面より上1km以内の面との間の平均気温減率がすべて3.0℃/kmを超える層がある場合この層またはそれより高い層で「第1圏界面」と同様の基準により求められた面を「第2圏界面」とする。このような面が「第2圏界面」より高いところにいくつかある場合は、高度の低い方から「第3圏界面」、「第4圏界面」、・・・とする。
*3 風の高度分布の特徴を再現できるような点を風特異点といい、その中で極大となる風速面を極大風速面といいます。 風特異点及び極大風速面は国際的な取り決めによって選択していますが、その概要は次のとおりです。
【風特異点】
なお、2004年2月までは上空の風向・風速のみを観測するレーウィン観測を3時と15時に行っていました(父島、南鳥島、昭和(南極)は除く)。
データの種類 | 内容 |
---|---|
指定気圧面の観測データ | 地上と指定気圧面 *1の高度、気温、湿度、風向、風速データを観測地点及び1観測ごとに表示します。 |
気温・湿度の観測データ | 気圧、高度、気温、湿度データを1観測ごとに表示します。 このデータには気温・湿度特異点データ *2、圏界面データ *2が含まれています。 |
風の観測データ | 気圧、高度、風向、風速データを1観測ごとに表示します。 このデータには風特異点データ *3、極大風速面データ *3が含まれています。 |
月ごとの値 | 地上と指定気圧面の高度、気温、湿度、風向、風速データの月平均値と極値を観測地点及び観測時間ごとに表示します。 |
平年値 | 9時、21時について算出しています。 10年ごとに更新します。 現在の平年値は、1991〜2020年の資料をもとに算出されています。 日ごとの平年値の要素は気温のみです。 |
観測史上1〜10位の値 | 各観測地点において、観測時間及び指定気圧面ごとに、月ごとの値の中から極値・順位値を月及び全年について10位まで求めたものです。 3時及び15時の要素は風のみです。 |
1000, 925, 900, 850, 800, 700, 600, 500, 400, 350, 300, 250, 200, 175, 150, 125, 100, 70, 50, 40, 30, 20, 15, 10, 5
ただし、925hPaが追加となったのは1991年11月1日からです。
*2 気温・湿度の鉛直構造の特徴を再現できるような点を気温湿度特異点といい、 対流圏と成層圏の境界面を圏界面といいます。気温湿度特異点及び圏界面は国際的な取り決めによって選択していますが、その概要は次のとおりです。
【気温湿度特異点】
- 気温及び湿度の顕著な変化点
- 観測開始点、観測終了点及び湿度の最終点
- 20hPa以上の厚さを持つ逆転層及び等温層の上下端
- 欠測層の上下端
- 圏界面
500hPa面以上の高さで、ある面とそれより上2km以内の面間の平均気温減率がすべて2.0℃/kmを超えない面を「第1圏界面」とする。「第1圏界面」の上のある面とその面より上1km以内の面との間の平均気温減率がすべて3.0℃/kmを超える層がある場合この層またはそれより高い層で「第1圏界面」と同様の基準により求められた面を「第2圏界面」とする。このような面が「第2圏界面」より高いところにいくつかある場合は、高度の低い方から「第3圏界面」、「第4圏界面」、・・・とする。
*3 風の高度分布の特徴を再現できるような点を風特異点といい、その中で極大となる風速面を極大風速面といいます。 風特異点及び極大風速面は国際的な取り決めによって選択していますが、その概要は次のとおりです。
【風特異点】
- 風向及び風速の顕著な変化点
- 観測開始点及び終了点
- 欠測層の上下端
- 風速が最大の点、及び極大風速面
- 500hPa面より高い高度で、風速が30m/sより大きい特異点のうち、風速が最大の点。
- 500hPa面より高い高度で、風速が30m/sより大きい特異点(極大値)のうち、その上下の風速の極小値のいずれよりも10m/s以上風速が大きい点。
3.表示方法、統計項目の説明等
- 値の単位は、各気象要素欄に示すとおりです。
- 観測時刻は、日本中央標準時の24時制によります。
昭和(南極)の日時も日本中央標準時ですが、現地時間も括弧で示してあります。(昭和の現地時間と日本中央標準時との時差は-6時間です。) - 観測されていない要素、機器の故障、保守等で値が求まらない場合は「///」となっています。
- 速報値が入るタイミングは地点または日によって違っており、値が不明なときには「///」となります。
- 風速が0m/s(静穏、地上は0.2m/s以下)の場合は、風向欄に「−」を記入しています。
- 風向は、北から時計回りの角度で表します((例) 90°→ 東の風、360°→ 北の風)。
- 月ごとの値の湿度の極値は極小値のみ入力されています。
- 月ごとの値の月平均値及び極値は観測回数に関係なく統計します。
- 合成風とは、観測ごとの風速の東西、南北成分をそれぞれ観測時刻別に月平均(成分風)し、合成した風向風速のことです。
- ジオポテンシャル高度とは、観測した気圧、気温、湿度を用いて計算で求めた高さです。ジオポテンシャル高度は、対流圏や下部成層圏では実際に測った高さ(幾何学的高度)とほぼ同じです。