台長ご挨拶

地域の特性を知って、備えて、ご自身と大切な人を守ってほしい

 いつも静岡地方気象台ホームページをご利用いただきまして、ありがとうございます。
 静岡県は、南を太平洋に面し、北に3000m級の山がある東西に長い県です。その中を富士川、大井川、天竜川をはじめとする河川が流れ、河口付近に肥沃な平地を形成しています。また、富士山や伊豆東部火山群があり、県内各地に豊かな自然が作り出した風光明媚な景観が広がっています。自然が豊か、ということは、同時に自然災害の危険と隣り合わせ、ということでもあります。過去には昭和33(1958)年の狩野川台風や昭和49年(1979年)七夕豪雨、令和3(2021)年7月に熱海市で甚大な土砂災害、令和4(2022)年9月に台風第15号による記録的な大雨で西部・中部を中心に大きな被害がありました。毎年のように気象災害に見舞われていますし、南海トラフ巨大地震のリスクにもさらされています。
 この自然と上手につきあっていくために、静岡地方気象台は昭和14年(1939年)12月に中央気象台臨時静岡出張所として開設され、気象観測を始めました。 それから90年近くにわたり、静岡の気象・地震・火山などの自然現象を監視するとともに、大雨や暴風等の気象状況を予測し、必要に応じて警報や注意報等の防災気象情報を発表してきました。 近年は、市町村・県・国・報道など関係機関との連携をさらに強化し、住民のみなさまに日ごろからお住まいの地域の特性を知って、リスクに応じた備えをして、いざという時はご自身と大切な人を守る行動をとっていただけるよう防災知識の普及活動などにも力をいれています。令和8年に防災気象情報の整理が予定されていますので、こちらについても広報活動をさらに進めます。
 今後も地域に根差したきめ細やかな取り組みを進めて参ります。静岡地方気象台を引き続きよろしくお願い申し上げます。

令和7年4月9日  
静岡地方気象台長 山本 佳緒里(やまもと かおり)