災害をもたらした気象事例

昭和58年6~7月の低温
昭和58年(1983年) 6月~8月
北日本を中心に低温
災害概要
農作物被害2,095億円
算出期間:6~7月
被害地域:北海道、本州各地方
(農林水産省統計部資料)
概要
 6~7月はオホーツク海高気圧の勢力が強く、北海道、東北地方太平洋側では記録的低温となり曇雨天が続いた。これに対して中国・四国地方は6月~7月前半、梅雨前線が全般に平年よりも南偏し活動が不活発だったため、干天少雨が持続した。低気圧接近時に梅雨前線が一時的に北上、活発化し、大雨をもたらすことがあった。7月後半は太平洋高気圧が強まったため、梅雨前線が本州上に停滞し、活動は活発であった。20~26日には山陰・北陸地方を中心に集中豪雨があった。21日から29日にかけて梅雨前線は次第に北上し、九州地方~東北地方の各地で梅雨が明けたが、殆どの地域で平年に比べ7日程度遅れた。また、6~7月を通して上空に寒気が流入しやすく、局地的な大雨、雷が多発した。北日本の低温は8月初めまで続いた。
 この低温・寡照により、北海道、東北地方、関東地方を中心に水陸稲、雑穀・豆類、飼肥料作物、麦、工芸農作物などに被害が発生した。水稲の作柄は、作況指数の全国平均は96、「やや不良」で、特に北海道では作況指数74の「著しい不良」であった。
経過図(帯広) 夏季平均気温平年差図
期間内での観測値
気象官署での観測値
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