災害をもたらした気象事例

梅雨前線、台風第6号
平成元年(1989年) 6月8日~7月18日
梅雨前線により西日本から東日本で大雨、台風が九州縦断。
死者16名、負傷者3名
住家全壊1棟
床上浸水69棟、床下浸水2,105棟
(防災白書、消防白書)
概要
 この期間の前半は北の高気圧の勢力が強く、梅雨前線は本州沿いあるいは南海上に停滞した。低気圧の接近時には、前線の活動が活発となり、たびたび大雨となった。
 6月9日、黄海から西日本に伸びる梅雨前線上を低気圧が東進し、九州地方北部と三重県の一部で大雨となった。
 6月16日、西日本の南岸の梅雨前線上を低気圧が発達しながら東進し、17日には関東の東海上に進んだため、16日には南勢(三重県南勢町)で190mmの日降水量を観測するなど北海道と関東から四国にかけて、17日には八木沢(福島県飯舘村)で193mmの日降水量を観測するなど東北地方の太平洋側で大雨となった。
 6月23日、沖縄の南海上で発生した台風第6号は、南西諸島沿いを速い速度で北上し、24日05時半頃鹿児島県枕崎市付近に上陸した。台風は九州地方西部を北上した後、同日12時頃山口県萩市沖で温帯低気圧となった。台風の東側では暖湿気流が入り、東日本で200mmを超える大雨となった。
 6月28日、東シナ海の前線上で発生した低気圧が日本海沿いに進み、30日には北海道の南東海上に進んだ。このため、28日には近畿・東海地方で、29日には二俣(釧路支庁音別町)で日降水量215mmを観測するなど北海道の各地で大雨となった。
 7月9日、前線上の黄海で発生した低気圧が日本海に進んで発達し、10日には北海道を通過した。9日には上(熊本県あさぎり町)で251mmの日降水量を観測するなど、中部、近畿、山陰地方と九州地方南部で、10日には大口(鹿児島県大口市)で233mmの日降水量を観測するなど九州地方南部で大雨となった。
 7月12日、活発な梅雨前線が山陰沖からゆっくり南下するとともに、前線上を低気圧が東進したため、長野県と中国地方で大雨となった。
 7月16日、福井県では60~80mmの雨が降り、国道305号線で通行中のマイクロバスに岩石が落下したため多数の死者が出た。
天気図(7/10 09h) 期間降水量
降水量時系列図(御嶽山)
降水量時系列図(上)
期間内での観測値(6/8-6/25)
気象官署での観測値
アメダスでの観測値
期間内での観測値(6/26-7/18)
気象官署での観測値
アメダスでの観測値
沿岸波浪計での観測値
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