トランスバースライン
流れの方向にほぼ直角な走向を持つ小さな波状の雲列を持つCiストリークを「トランスバースライン」と呼ぶ。通常、ジェット気流に沿って発現し、80kt以上の風速を伴う。大野・三浦(1982)によると、トランスバースラインは圏界面直下で励起されたケルビン・ヘルムホルツ波が可視化されたものである。トランスバースライン付近では、乱気流の発生頻度が高いことが知られている。また発達中の台風から吹き出すトランスバースラインが見られる場合もあり、これは台風の上層発散に伴う流れに関係していると考えられている。
下図では、山陰から北陸の沖合にトランスバースラインが見られる(矢印)。これは200hPaのジェット軸にほぼ対応している。


また、下図では、フィリピンの東海上にある台風22号(T1622)に伴うトランスバースラインが見られる(矢印)。
