海氷の監視

日本付近で観測される主な海氷域は、オホーツク海と間宮海峡付近にあります。図1は、2016年3月23日12時(日本時間)の赤外画像(バンド13)です。 赤外画像では、海氷は周りの海面水温や下層雲との温度差が小さく、下層雲と同じように見えるため識別するのが困難です。 図2は可視画像です。海氷は下層雲のように太陽光の反射が強く明灰色に見えます。 このため下層雲と見誤ることがありますが、海氷は雲に比べ移動速度が遅いことから、動画により識別することが可能です。 図3は、Day Natural color RGB合成画像です。海氷の反射率が低い近赤外画像(バンド5)を使っているため、海氷は明るい青色(シアン色)となり雲との区別がつきやすくなります。

この事例では、巨大な流氷の渦模様が見られます。渦模様は、海面に浮いた流氷が潮流の渦によって流されることで現れます。 巨大なため洋上や陸からは全体を見ることはできない。航空機や人工衛星でとらえられる現象です。 また、このように衛星画像から得られた情報を用いて作成された「全般海氷情報」などは、船舶の安全航行に大きく寄与しています。

図1 2016年3月23日03UTCの赤外画像
図2 2016年3月23日03UTCの可視画像
図3 2016年3月23日03UTCのDay Natural Color RGB合成画像