可視画像の特徴

太陽光のうち、可視光の波長帯(おおよそ下限 0.36~0.40μm から上限 0.76~0.83μm)の反射強度を画像化したものを可視画像と呼びます。 可視画像では反射の大きいところは明るく、小さいところは暗く画像化しています。一般に鉛直方向に厚みのある雲や雪面などは反射が大きく、画像では明るく見えます。 地面は相対的に反射が少ないため暗く、海面は最も暗くなります。なお、観測地点の太陽高度の違いによって観測対象の見え方が違ってくることに注意が必要です。 観測地点が朝や夕方の時間帯や太陽光が低緯度の地域に比べてより低い仰角から入射する高緯度の地域では、単位面積当たりの入射量が少なく反射量も少なくなって、 太陽高度の高い時間帯や低緯度での観測よりも暗く表示されます(気象衛星センター, 2000)。

また、鉛直に発達した積乱雲などの影によって雲がある場所も暗く表示される場合があります。図1は積乱雲の影に入り、観測が困難になった下層雲の例(赤丸付近)です。 太陽光のあたらない夜間は真っ暗な画像となります。

ひまわり7号では可視画像は観測バンドが一種類(中心波長約 0.68μm)でしたが、ひまわり8号/9号では三種類(中心波長約 0.47μm:バンド1、0.51μm:バンド2 、0.64μm:バンド3)となりました。 可視光域のうちバンド 1 は肉眼で青色、バンド 2 は緑色、バンド 3 は赤色に対応する波長帯となっています。 このため、バンド 1~3 の画像を光の三原色である青緑赤にそれぞれ着色して合成すると、肉眼で宇宙から地球を見た場合に似た「カラー画像(True color RGB合成画像)」や「カラー再現画像」を作成することができます。

可視画像における太陽高度による見え方の影響の例 図1 可視画像における太陽高度による見え方の影響の例。下層雲(赤丸付近)が積乱雲の影に入り、見かけ上観測が困難になった例。
カラー再現画像の例 図2 カラー再現画像の例。