近赤外画像の特徴

近赤外バンドはひまわりシリーズでは8号になって初めて搭載された観測波長帯です。近赤外域は可視光の赤色波長領域よりも波長が長く、肉眼では通常確認できませんが、隣接する赤色の可視光の性質に近く、光通信や家電のリモコン、生体内酸素量モニターなど身近なところで利用されている波長領域です。

衛星画像では可視画像と同様に観測された放射エネルギーを反射強度に変換して画像化しています。そのため、画像の利用方法としては可視画像と同様に日中(太陽光の当たる領域)で利用できます。図1は可視バンドおよび近赤外バンド観測波長帯の反射特性です。図1のように地表面の状態や雲に含まれる氷晶などに対してそれぞれ特徴的な反射の性質を有しているため、それぞれのバンドの画像は可視画像と大きく異なります。

図1 可視バンドおよび近赤外バンド観測波長帯の反射特性(CRTM(Delest P and Han Y, 2008)で使用している地表面の反射率)。データ元は NPOESS(National Polar-orbit Operational Environmental Satellite System)。