画像特性(バンド5)

図1は、可視バンドおよび近赤外バンド観測波長帯の反射特性です。また、図2は各衛星画像(左:バンド 3、右:バンド 5)における雲(雲頂)の反射の違いの例です。

図1のように、バンド5、6は雲(雲頂)の粒子の相(液体・固体)によって反射率が異なります。水滴からなる中下層雲の反射はバンド 4 と同様に大きいのに対し、上層雲など(図2の赤い楕円内付近)氷晶を含む雲頂からの反射は小さく観測されます。この性質から、雲域に氷晶が含まれる(高度の高い)雲域と、それ以外の雲域の判別が容易になります。

また、下層雲と雪氷域との判別も同様に容易です。地表面からの反射についてはバンド4が積雪からの反射が大きいのに比べて、バンド5付近の波長領域では積雪からの反射が小さく観測されます。地面(砂地・岩地)からの反射率は大きく、植生についても比較的大きい特徴を持っています。

図1 可視バンドおよび近赤外バンド観測波長帯の反射特性(CRTM(Delest P and Han Y, 2008)で使用している地表面の反射率)。データ元は NPOESS(National Polar-orbit Operational Environmental Satellite System)。
図2 各衛星画像(左:バンド 3、右:バンド 5)における雲(雲頂)の反射の違いの例。バンド5では水滴からなる中下層雲の反射が大きく明るいのに対し、上層雲など(図中赤い楕円の領域付近)氷晶を含む雲頂からの反射は小さいため暗く観測される。