前橋地方気象台長からのメッセージ

いつも前橋地方気象台のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

9月に入ってからも大変暑い日が続いていましたが、下旬以降は気温が下がり、やっと過ごしやすさを感じられるようになりました。 10月に入ってからは少々肌寒い日もあり、冬が近づいているのを感じています。 季節の変わり目ですので、みなさまもお身体には十分お気をつけください。

今回は、8月26日の「火山防災の日」について少し記したいと思います。
令和5年(2023年)、活動火山対策特別措置法(活火山法)の一部が改正され、国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めることを目的として、8月26日が「火山防災の日」に制定されました。 8月26日とされたのは、明治44年(1911年)8月26日に、浅間山に日本で最初の火山観測所が設置され、器械を用いた近代的な観測がはじまったことによります。 当時、浅間山では明治42年(1909年)から顕著な噴火が相次いで発生するようになり、浅間山麓の住民は天明3年(1783年)に発生した天明噴火のような災害の再来を恐れ、浅間山の活動に対する関心が高まっていたことが背景としてありました。 最初の近代的な火山観測のはじまりは、日本の火山防災の誕生につながりました。

気象庁では、「火山防災の日」にあわせた火山防災の普及啓発活動を行っています。台風などの気象現象は予測が可能で、災害に対して事前に備えることができますが、火山の噴火は事前に予測することが非常に難しい現象です。 このため、日常的に火山に関する知識を身に着け、いざ噴火があったときには適切な行動につなげられるようにしておくことが、非常に大事なことだと思います。 気象庁ホームページでは、「火山防災の日」特設サイトが開設されています。 マスコットキャラクターの「はれるん」と「ぼるけん」によるわかりやすい解説もあります。 みなさまもこのサイトをご覧いただき、この機に火山防災について考えていただけたら幸いです。

前橋地方気象台は、「火山防災の日」の制定のきっかけとなった浅間山を監視対象としています。 このため火山防災の普及啓発活動を積極的に行っており、わたし自身も安中市で、火山防災の講演の機会をいただきました。 そして令和7年1月11日(土)には文部科学省との共催で、火山防災講演会を高崎市で開催する予定です。 火山防災講演会の詳細は、後日前橋地方気象台のホームページでお知らせしますので、どうぞもう少しお待ちください。

「ぼるけん」と一緒に浅間山を見に出かけた
ときの一枚です。


令和6年10月15日
前橋地方気象台長 大和田 浩美(おおわだ ひろみ)