布田川断層の剥ぎ取り標本-動く大地の記録-

熊本県内の剥ぎ取り断層マップ

熊本県内の剥ぎ取り標本マップ
をクリックすると、その地点で採取された剥ぎ取り標本が表示されます。
(産総研活断層データベースより引用・加筆。赤線は熊本地震の際に出現した地震断層の位置を示す。基図は地理院地図。)

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断層とは?

  断層とは、地下の岩盤にずれが生じた地層の境目の事です。長い時間力がかることで蓄積した岩盤のひずみは、ある点で限界を超え、岩盤は破壊されます。そのエネルギーが地表にまで伝わったのが、地震です。一度破壊された岩盤はその境目で再び活動しやすく、繰り返し地震を引き起こすことがあります。このような断層を特に、「活断層」と呼びます。
断層運動イメージ

断層運動のイメージ(地震調査研究推進本部より引用)

 熊本県には複数の活断層が位置しており、布田川断層帯と日奈久断層帯は特に広く知られています。布田川断層帯は、阿蘇外輪山の西側斜面から宇土半島の先端に至る活断層帯です。日奈久断層帯は、その北端において布田川断層帯と接し、八代海南部に至る活断層帯です。「平成28年(2016年)熊本地震」では、布田川断層帯及び日奈久断層帯の一部が、実際に活動しました。
断層運動イメージ

布田川断層帯・日奈久断層帯の位置(地震本部,2013より引用・加筆)

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最新の研究

 2016年の熊本地震では、熊本県内の剥ぎ取り断層マップの赤線に示す、南西北東走行の長さ約30kmの地震断層が地表に現れました。地震発生後、断層帯の過去の活動を詳しく知るため、断層を横切るように細長い溝を掘り地層を露出させるトレンチ調査が行われています。
 これまで、布田川断層帯の活動間隔は8100~26000年と推定されていました。しかし、最近の調査の結果、断層帯の活動間隔は1500~2000年程度であり、これまでの推定よりかなり短い可能性があります。また、これまで布田川断層帯北東端とされていた阿蘇外輪山の西側斜面から、今回新たに北東方向の阿蘇カルデラ内に約3.5kmの地震断層が確認されました。
トレンチ調査

熊本県南阿蘇村下野地区でのトレンチ調査

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剥ぎ取り標本

 熊本地方気象台は、熊本大学などの研究機関が実施するトレンチ調査に参加し、剥ぎ取り標本を作製してきました。剥ぎ取り標本とは、調査で現れた地層を接着剤で布に張り付け、通常は見ることの出来ない地下の構造を、標本として展示・保管することができるようにしたものです。気象台では、作成した剥ぎ取り標本をイベントなどの普及啓発活動に活用しています。

益城町田中地区での剥ぎ取り断層

益城町田中地区での剥ぎ取り断層

南阿蘇村河陽での剥ぎ取り断層

南阿蘇村河陽での剥ぎ取り断層

南阿蘇村下野での剥ぎ取り断層

南阿蘇村下野での剥ぎ取り断層

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