金沢地方気象台長からのご挨拶

台長メッセージ  金沢地方気象台長2年目を務めるにあたりまして一言ご挨拶申し上げます。

 令和6年能登半島地震から3か月経過したところで当台台長を拝命した時は、石川県災害対策本部員会議が毎日開催されており、被災地は依然応急復旧の途上という厳しい状況にありました。その後、8月21日には石川県災害対策本部員会議の定期開催は解かれ、石川県創造的復興プランが推進され復興に向けて一歩一歩前進していたところでした。しかし、9月21日に奥能登地域に線状降水帯が発生、最も地震の被害が大きかった地域が、豪雨による二重の被害を受け、厳しい現実に直面することとなりました。それから約半年が経過、地震によって開設されていた避難所への避難者の数はゼロとなり、豪雨による避難者の方々も近く帰還を果たされる見通しとのこと。このように少しずつ平穏を取り戻しつつありますが、依然として能登地方の地震活動は活発で、未だ収束していない状況です。加えて、ここ数年は北陸地方に線状降水帯が発生する年が毎年続いており今後も予断を許しません。
 令和7年3月26日、奥能登地区域流域治水協議会において「奥能登地区緊急治水対策プロジェクト」が策定されました。本プロジェクトには数々のハード対策メニューとともにソフト対策も盛り込まれております。気象台が担当するソフト対策としましては、現場の要望や各機関の活動状況を踏まえ、気象等のきめ細かな解説を行い、県や被災市町、関係機関の防災対応の支援に取り組んでまいります。
 また、奥能登以外の地域につきましても、同様に自治体、関係機関の防災対応への支援を通じて、また報道機関や気象庁ホームページ等を介した情報発表により県民のみなさまの安全・安心の確保に取り組んでまいります。
 最後になりますが、能登地方ではいくつかのお祭りが2年ぶりに今年再開予定と聞いております。無事開催されることをお祈りいたしますとともに、状況が許せば私もお祭りを拝見できればと願っております。また、加賀地方のお祭りも昨年に引き続き楽しませていただきたいと思っております。能登の復興、そして石川県の益々の発展を祈念しまして挨拶に代えさせていただきます。
令和7年4月 金沢地方気象台長 田中 恵信