臨時診断表 平成24年9月上・中旬における北海道周辺海域の海面水温について

平成24年9月28日発表
気象庁地球環境・海洋部
函館海洋気象台

診断

北海道周辺海域において、9月中旬に海面水温(旬平均)が1985年以降の統計で過去最高を記録しました。また、旬毎の統計においても、9月上旬および中旬は最も高くなりました。これは、太平洋高気圧の勢力が日本の東海上で非常に強かったためと考えられます。

北海道周辺海域の旬平均海面水温時系列(1985~2012年)

北海道周辺海域の旬平均海面水温時系列(1985~2012年)

北海道周辺海域は、北緯40~45度、東経140~150度で囲まれた海域。

解説

海面水温

北海道周辺海域(北緯40~45度、東経140~150度)の9月中旬の海面水温(平年より4.6℃高い22.5℃)は、2010年8月下旬の21.4℃を上回り、1985年以降*の全期間を通じた記録として最も高い旬平均水温となりました。北海道周辺海域では、季節的に8月から9月にかけて海面水温が最も高い時期となりますが、9月上旬および中旬の平均値は、2旬続けて、これまでの旬毎の記録を更新したとみられます(参照図:2012年8月下旬、9月上旬、9月中旬における旬平均海面水温と偏差)。

*船舶による海洋観測に加え、人工衛星によるリモートセンシング資料が利用可能となった1985年以降の旬平均海面水温に基づき算出しています。なお、2012年の海面水温は速報値による結果であるため、後日、修正されることがあります。

要因

太平洋高気圧の勢力が日本の東海上で非常に強まり、北日本の旬平均気温は、8月下旬から9月中旬までの3旬続けて、統計を開始した1961年以降で最も高くなりました。北日本に高温をもたらした太平洋高気圧に覆われた影響で、北海道周辺海域では風による下層の冷たい海水との混合が少なくなり、晴天下の日照を受けて深さ10数m前後までの海面付近を中心に熱が蓄積されたことが考えられます(参照図:北海道周辺海域における海水温の鉛直構造)。

関連情報:日本の異常気象 「平成24年8月下旬~9月中旬の北日本と東日本の高温について」[PDF形式:505KB] ( 9月21日発表 )


参考(速報値)

海面水温(旬平均)平年との差これまでの最高記録
9月上旬21.8℃+3.3℃21.1℃(2010年)
9月中旬22.5℃+4.6℃20.1℃(1999年)

その他

北海道周辺・日本東方海域の海面水温の最新の状況については、定期診断表[海洋の健康診断表 海面水温(北海道周辺・日本東方海域)]で解説しております。

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