オホーツク海の海氷分布(年概況)

令和5年6月30日 気象庁発表
(次回発表予定 令和6年7月1日)

診断概要(2022/2023年)

トピック

オホーツク海の最大海氷域面積は平年並でした。

2022/2023年海氷期の概要

オホーツク海では12月上旬は、寒気の流入によりオホーツク海全域の海氷域面積は平年より大きく経過しましたが、12月中旬から3月上旬まではおおむね平年並で経過しました。3月中旬から4月にかけて気温が高く経過したため平年より小さく経過しましたが、5月は平年並になりました (図1)。
当シーズンのオホーツク海の最大海氷域面積は、3月5日に記録した107.26万平方キロメートルで、平年並となりました。
北海道オホーツク海沿岸への流氷の到来は、流氷初日が網走では平年より遅く、稚内では平年並、流氷接岸初日が網走では平年並となりました。釧路では6年連続で流氷は観測されていません。流氷の後退は平年より早くなり、3月末には南端は北緯46度付近まで後退しました。
なお、海氷分布状況の詳細については、オホーツク海の海氷分布図(2022年11月~2023年7月)を参照して下さい。
オホーツク海の海氷域面積(2022年11月~2023年7月)
年別経過図の凡例

図1 オホーツク海の海氷域面積(2022年11月~2023年7月)


表1 流氷に関する現象の初日一覧表(2022年12月~2023年5月)
地点 流氷初日 流氷接岸初日
稚内 2.22 (+3) ---
網走 2.2 (+11) 2.10 (+6)
釧路 --- ---
( +n )
平年(1991~2020年の平均値)との差。平年よりも n 日遅い
( –n )
平年(1991~2020年の平均値)との差。平年よりも n 日早い
  –––
現象が発生しなかった

1. オホーツク海の海氷状況

2022年10月

10月中旬にシェリホフ湾、10月下旬にオホーツク海北岸で、それぞれ結氷が始まりました。

2022年11月

11月下旬にシャンタル諸島付近で、結氷が始まりました。

2022年12月

12月上旬にサハリン東岸、テルペニヤ湾でそれぞれ結氷が始まりました。12月上旬は、寒気の流入により、オホーツク海全域の海氷域面積は平年より大きく経過しましたが、中旬は、北部を中心に気温が平年より高く経過し、オホーツク海全域の海氷域面積は一時的に減少しました。下旬は、オホーツク海全域で気温が平年より高く経過し、また、発達した低気圧が通過したことによりサハリン東岸の海氷が岸に吹き寄せられたため、海氷域面積は平年より小さく経過しました。
一方、サハリン東岸の海氷域の南下は12月中旬まで平年並でしたが、12月下旬の低気圧の通過の影響を受け、その南端は12月31日時点で平年より南の北緯46.2度付近となりました。

2023年1月

オホーツク海では、1月は月を通しておおむね全域で気温が平年より低く、特に中旬は北部と中部で平年よりかなり低かったため海氷域の拡大が進み、オホーツク海全域の海氷域面積は、月のはじめは平年より小さかったものの、それ以降はおおむね平年並で経過しました。下旬は、発達した低気圧が通過したことによりサハリン東岸の海氷が岸に吹き寄せられたため、海氷域面積が減少しました。

2023年2月

オホーツク海では、2月は寒気の影響を受け、北西部からサハリン東岸にかけてを中心に気温は平年より低くなりましたが、北東部では2月前半に気温が平年より高い時期がありました。このため、オホーツク海南部を中心に海氷域が平年より拡大した一方、北東部のシェリホフ湾付近では海氷域は平年に比べて拡大が進まず、オホーツク海全域の海氷域面積は2月を通して平年並で経過しました。

2023年3月

3月のオホーツク海は寒気の影響を受けにくく、南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、気温が平年より高く経過し、海氷の融解が進みました。オホーツク海全域の海氷域面積は、3月上旬までは平年並でしたが、中旬以降は平年より小さく経過しました。
今シーズンのオホーツク海の最大海氷域面積は、3月5日に記録した107.26万平方キロメートルで、最大海氷域面積としては平年並でした。

2023年4月

オホーツク海では、4月上旬、中旬はおおむね全域で気温が平年より高く海氷の融解が進み、オホーツク海全域の海氷域面積は平年より小さく経過しました。下旬はオホーツク海中部を中心に気温が平年より低く海氷の融解が緩やかになり、オホーツク海全域の海氷域面積は月の終わりには平年並になりました。

2023年5月

オホーツク海では海氷の融解が進み、オホーツク海の海氷域面積はおおむね平年並で経過しました。

2023年6・7月(8月10日追記)

6月中旬にサハリン東海上の海氷、7月中旬にシャンタル諸島付近の海氷は、すべて融解しました。


2. 北海道オホーツク海沿岸の海氷状況

2023年1月

オホーツク海南部では、冬型の気圧配置により北風や西風の吹く日が多く、海氷の南下が進みましたが、海面水温が平年より高かったため、海氷の北海道オホーツク海沿岸への到来は平年に比べ遅くなりました。海氷は下旬には北海道オホーツク海沿岸に近づき、月末には知床半島や国後島の一部で接岸しました。
中旬以降、海氷の一部は宗谷海峡に流入し、下旬には根室海峡にも流入しました。月末には根室湾で結氷した海氷が一時的に太平洋へ流出しました。

2023年2月

オホーツク海南部では、2月上旬は冬型の気圧配置などにより北風や西風の吹く日が多く、海氷は北海道オホーツク海側の沿岸や国後島で接岸し、網走では平年より11日遅い2月2日に流氷初日、平年より6日遅い2月10日に流氷接岸初日となりました。中旬から下旬前半にかけては低気圧が付近を通過した影響で、海氷は北海道オホーツク海側の沿岸で離岸と接岸を繰り返し、稚内では平年より3日遅い2月22日に、2020年以来3年ぶりの流氷初日となりました。その後、海氷は北海道オホーツク海側の海岸から離れる所が多くなりましたが、知床半島や国後島では広い範囲で接岸した状態が続きました。
海氷の一部は国後水道から太平洋へ流出し、2月末には根室海峡からも流出しました。また、宗谷海峡から日本海への流出は、2月を通して断続的にみられました。

2023年3月

3月初めは、北海道周辺の海氷はサロマ湖から東の海岸で接岸していましたが、その後は沖合に離れ、融解が急速に進みました。海氷の太平洋への流出は3月中旬に終息しました。3月末にはオホーツク海南部の海氷の南端は北緯46度付近まで後退しました。

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