沿岸波浪計観測資料の見かた

波高時系列図

毎時の有義波の波高(有義波高;青太線)および最大波の波高(最大波高;赤細線)の時系列をグラフに表示したものです。

波浪観測月表

毎時の有義波と最大波の波高と周期の観測値および旬/月平均値を、2006年1月以降、月単位でまとめたものです。旬別平均値は該当する旬の全観測データ(該当する旬の日数×24)の平均です。月別平均値は、該当する月の全観測データ(該当する月の日数 x 24)の平均です。波高については月最大値とその起時についても表示しています。その他、データに異常等が認められた場合の障害の内容を示す障害番号や、3時間毎のデータ取得率(3Hourly Obs. Rate)及び全時間でのデータ取得率(Hourly Obs. Rate)もあわせて表示しています。
障害番号の示す障害の内容とそれに応じた統計上の取り扱い、データ取得率の定義式は以下のとおりです。

  1. 障害番号
    観測データには、異常域の有無、データの収集時間、およびデータ処理で得られた波数、有義波・最大波の波高と周期等に応じて、下表に該当する場合は障害番号を付加しています。 なお、観測方法(レーダー式・超音波式)によって障害番号の意味が異なります。
    • レーダー式波浪観測地点:上ノ国、唐桑、石廊崎(2010年7月7日14時以降)、経ヶ岬(2010年2月8日14時以降)、生月島、屋久島
    • 超音波式波浪観測地点:尻羽岬、松前、温海、江ノ島、石廊崎(旧)、鹿島、経ヶ岬(旧)、福江島、佐多岬、佐喜浜、喜屋武岬
    レーダー式波浪観測における障害番号の説明
    障害番号 障 害 の 内 容
    7 有義波周期や最大波周期の信頼度が低い
    (有義波高や最大波高は異常なし)
    9 以下のいずれかに該当する
    1. 欠測
    2. 有義波高が0
    3. 有義波高又は最大波高の信頼度が低い

    なお、レーダー式波浪観測においては
    • 障害番号が7の場合、該当する波の周期(最大波周期の信頼度が低い場合は有義波周期も)
    • 障害番号が9の場合、全ての観測要素
    をそれぞれ無効(欠測)としています。

    超音波式波浪観測における障害番号の説明
    障害番号 障 害 の 内 容
    1 異常域あり(20分間のデータを収集)
    2 データの収集時間が10分以上20分未満で異常域なし
    3 データの収集時間が10分以上20分未満で異常域あり
    7 以下のいずれかに該当する
    1. 最大波の波高が有義波の波高の3倍以上である
    2. 有義波、1/10 最大波、最大波のいずれかの周期が30秒以上である
    3. 伝送系の分解能に対して、波高が小さく周期の信頼度が低い
    8 波数が1波以上20波未満
    9 以下のいずれかに該当する
    1. データの収集時間が10分未満、または波数が0
    2. 品質管理の結果、信頼性が低いと判断された

    なお、超音波式波浪観測においては
    • 障害番号が7で、Ⅰ.の場合、最大波の波高と周期
    • 障害番号が7で、Ⅱ.の場合、該当する波の波高と周期
    • 障害番号が7で、Ⅲ.の場合、有義波と最大波の周期
    • 障害番号が8、9の場合、全ての観測要素
    をそれぞれ無効(欠測)としています。
  2. 障害番号が付加されたデータの統計上の取り扱い
    障害番号が1、2、3、7である観測の周期は統計から除外しています。
  3. データ取得率の定義
    次の式で定義します。
    データ取得率の定義

波浪観測年表

ある年における各月の平均値や最大値などを一覧表にしたもの、およびある年に観測された全てのデータを統計処理した資料を年表としてまとめたものです。年平均値は、12個ある月別平均値の平均値ではなく、1月1日から12月31日までの1年間の全観測データの平均値です。統計処理項目は以下のとおりです。

  1. 障害の発生回数と測得率
    月間および年間の障害が発生した回数と測得率(%)を一覧表にしたものです。なお、障害番号0は正常観測(異常域なし、20分間の資料を収集)を表します。
    測得率は次の式で定義します。
    測得率
  2. 平均値
    月間および年間の有義波と最大波の波高と周期の平均値を一覧表にしたものです。
  3. 最大値
    月間および年間の有義波と最大波の波高の最大値と周期および出現時刻を一覧表にしたものです。同じ波高を複数回観測した場合は、最も起時の新しいものを掲載しています。
  4. 波高の階級別出現率
    月間および年間の有義波と最大波の波高の階級別(有義波は0.5m毎、最大波は1.0m毎)の出現率(%)を一覧表にしたものです。
  5. 高波出現順位
    有義波高が継続して下表の基準波高以上になった現象を一つの「高波」としています。基準波高は原則3.0mとしていますが、基準波高以上の有義波の出現率が2%に満たない観測地点については0.5m毎に基準波高を低くして基準波高以上の有義波の出現率が2%以上になるように基準波高を設定しています。
    各観測地点の基準波高
    基準波高(m) 観 測 地 点
    3.0 尻羽岬 松前 温海 江ノ島 石廊崎 鹿島 経ヶ岬  福江島
    2.5 上ノ国 喜屋武岬
    2.0 唐桑 生月島 佐多岬  屋久島 佐喜浜
    青字は観測を終了した地点です)
    高波出現順位は、1年間に観測された個々の高波の有義波高の最大値を大きい方から第20位まで表示しています。 各順位には、有義波高の最大値、その周期、障害番号、観測日時、その高波の継続時間・継続開始・終了時刻を表示しています。 なお、同じ有義波高を複数回観測した場合は、起時の新しいものを上位としています。 また、備考欄には、高波が生じた原因となる主な気象現象を下表のとおり分類して表示しています。
    高波が生じた原因となる主な気象現象
    Tyynn yy年 (yyは西暦年の下2桁の数字)の台風第nn号 (台風から変わった低気圧を含む)
    TD 熱帯低気圧(Tropical Depression)
    L 低気圧
    W 冬型の気圧配置
    - 上記以外の気象現象

  6. 高波継続出現回数
    荒天の持続状況等を把握するために、1年間に観測された有義波高が各基準値(6.0,4.0,3.0,2.5,2.0,1.5m)以上となった場合の継続時間について、その階級毎(3時間以下、3時間を超え6時間以下、…の各階級について-3時間、-6時間、…と表示)の出現回数を表示したものです。また、有義波高の基準値毎に平均継続時間(継続時間の平均時間)、最長継続時間(継続時間の中で最長の時間)および最長継続開始時刻(最長継続時間を記録した期間の開始時刻)を表示しています。
  7. 低波継続出現回数
    静穏の持続状況等を把握するために、1年間に観測された有義波高が各基準値(0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0m)未満となった場合の継続時間について、その階級毎(3時間以下、3時間を超え6時間以下、…の各階級について-3時間、-6時間、…と表示)の出現回数を表示したものです。また、有義波高の基準毎に平均継続時間(継続時間の平均時間)、最長継続時間(継続時間の中で最長の時間)および最長継続開始時刻(最長継続時間を記録した期間の開始時刻)を表示しています。
  8. 波高・周期階級別出現率
    有義波および最大波について、各観測地点における波高と周期の階級別出現率(%)を表示したものです。波高は有義波においては0.5m毎、最大波は1.0m毎、周期は有義波、最大波共に1.0秒毎に階級表示しています。また、表中の「未超過」とは、その階級以下の出現率の合計(累積出現率)で、その階級を超えない確率を表しています。なお、障害番号が0以外の場合には該当する波の周期を19.0秒以上の区分に含めています。

波浪観測累年表

各観測地点における統計期間内全てのデータを統計処理した資料を累年表としてまとめたものです。月別平均値は、各年の月別平均値の平均値ではなく、その月に観測された全データの平均値です。年平均値は、12個ある月別平均値の平均値ではなく、統計期間内全観測データの平均値です。統計処理項目は、波浪観測年表の 1. ~ 8. と同じです。

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