世界の過去および将来の海面水位変化

IPCC海洋・雪氷圏特別報告書(2019)によると、過去及び将来の海面水位変化について下記のとおり結論しています。なお、角括弧の範囲は95%の信頼区間を示します。 また、将来予測の可能性が高い幅はモデル予測の5~95%の信頼幅から計算しています。

  • 1902年から2010年の期間に、世界平均海面水位は0.16 [0.12~0.21] m上昇した。
  • 世界平均海面水位は、グリーンランド及び南極の氷床から氷が減少する速度の増大(確信度が非常に高い)、氷河の質量の減少及び海洋の熱膨張の継続により、最近の数十年加速化して上昇している。
  • 世界平均海面水位は2081~2100年には、1986~2005年の平均海面水位に対して、RCP2.6シナリオの場合0.39m(0.26~0.53m)、2100年に0.43 m(0.29~0.59 m)になると予測される。RCP8.5シナリオの場合0.71m(0.51~0.92m)、2100年に0.84m(0.61~1.10m)になると予測される。
  • 海面水位の上昇は全てのRCPシナリオにおいて、2100年以降も継続すると予測される。
過去の海面水位変化

過去および将来の世界平均の海面水位変化

1986~2005年平均を基準とした過去および将来の世界平均海面水位の変化。
過去の世界平均海面水位は紫線で示しており、将来の世界平均海面水位はRCP2.6シナリオを青色で、RCP8.5シナリオを橙色で示しており、予測の中央値を実線で、可能性が高い幅は陰影部分で示されています。また、縦線の入った着色域は、2100年以降の海面水位の予測の確信度が低いことを示し、2300年の棒グラフは、海面水位の変化可能性の幅についての専門家の判断を反映したものです。


※) RCPは、「Representative Concentration Pathways(代表的濃度経路)」の略です。気候変動の予測を行うためには、 放射強制力(地球温暖化を引き起こす効果)をもたらす大気中の温室効果ガス濃度や エーロゾルの量がどのように変化するか仮定(シナリオ)を用意する必要があります。 RCP2.6は、CMIP5のシミュレーションにおいて3分の2の確率で地球温暖化を2100年までに2℃より低く抑える、温室効果ガスの排出量が少なく緩和が大きい将来を示します。それに対しRCP8.5は、温室効果ガスの高排出シナリオで、気候変動に対処する政策を実施せず、その結果大気中の温室効果ガスの濃度が継続的及び持続的に増加するシナリオです。


【更新のお知らせ】IPCC海洋・雪氷圏特別報告書(2019)の内容に修正しました。(2020年2月17日)

参考文献

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