潮位観測情報 解説

気象庁ホームページに掲載している潮位観測情報は、全国の潮位観測地点の6日前〜最新の実況及び明日までの予想を速報的に表示したもので、10分毎に更新されます。

6日前から本日までは上段のグラフで実際の潮位と天文潮位を、下段のグラフで潮位偏差を表示します。本日から明日までは上段のグラフに天文潮位を表示し、高潮警報または注意報が発表されている場合は、警戒期間または注意期間、予想されるピーク時刻及び注意警戒期間の予測最高潮位も表示します。

それぞれのグラフの表示期間は3日分または1日分を選択可能で、グラフをドラッグすることで、表示する時間を変えることができます。

潮位は、観測基準面からの値を標高に換算したものです。標高の基準として東京湾平均海面を用いていますが、離島など一部の地点では、国土地理院による高さの基準やその地点における平均潮位等を用いています。潮位偏差とは、実際の潮位と天文潮位(平常潮位:過去に観測された潮位データの解析をもとにして計算した予測値)との差です。観測基準面や天文潮位に用いている基準の標高は、地盤変動の影響や長期的な海面水位の変化による変動を除くために、平均潮位や測量成果を用いて毎年更新しています。

なお、潮位観測地点がない市町村の場合は、推定の潮位と天文潮位を表示し、高潮警報または注意報が発表されている場合は、警戒期間または注意期間、予想されるピーク時刻及び注意警戒期間の予測最高潮位も表示します。

グラフをご覧になる際は、以下の点にご注意下さい。

・潮位の観測データは突発的なノイズを自動的に除去する処理をしていますが、観測機器の保守作業や障害に伴って異常な値を示すことがあります。

・気象庁及び海上保安庁が所管する地点のデータは、さらに波浪等の短周期成分を除く処理を行っています。

・上記以外の機関が所管する地点のデータは、短周期成分を除く処理を行っていないため、波浪等の影響による潮位の変動を含む場合があります。

・機関によって観測手法が異なるため、津波などの急激な海面変動を捉えられない地点があります。

掲載地点一覧表は、各潮汐観測地点の位置、観測の方式、観測基準面等についてまとめたものです。

観測の方式
検潮儀(フロート式)を利用している場合は「フロート式」、検潮儀(電波式)及び津波観測計(電波式)の場合は「電波式」、観測機器(音波式または水圧式)の場合は、「音波式」、「水圧式」を、それぞれ掲載地点一覧表の観測の方式の欄に記載しています。
検潮所外観 検潮儀(フロート式) 津波観測計(電波式) 検潮所(電波式)
検潮所外観 検潮儀(フロート式) 津波観測計(電波式) 検潮儀(電波式)
球分体
球分体とは検潮所の井戸縁に埋設している鋲のことで、井戸の内部に設定されている観測基準面のかわりに測量に用います。観測地点一覧表の「基準面上」の欄は、観測基準面から球分体の頭までの高さです。「標高」の欄は、最寄りの国土地理院一等水準点から直接水準測量により決定した 標高の基準(下図「基準面関係図」の場合は東京湾平均海面)から球分体の頭までの高さです。潮位を標高で表す場合は、球分体の観測基準面からの高さと東京湾平均海面からの高さの差を用いて換算します。 なお、津波観測計(電波式)においては、球分体の高さは電波センサーの高さとします。
検潮井戸と球分体
検潮井戸と球分体
基準面関係図
基準面関係図

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