日本近海の海流(月概況)

令和元年9月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2019年8月)

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西180km付近を流れていました。都井岬、足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯30.5度、東経137.5度付近、中旬は北緯30.5度、東経138度付近、下旬は北緯30.5度、東経138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、上旬、下旬は三宅島付近を流れていましたが、中旬は三宅島と八丈島の間を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬は分枝構造がみられ、沿岸寄り分枝の南限位置は、北緯40度、東経143.5度付近、沖合の分枝の南限位置は、北緯41度、東経145.5度付近でした。中旬の南限位置は、北緯39.5度、東経143.5度付近、下旬の南限位置は北緯39度、東経143.5度付近でした。
  • 親潮の面積は、月を通して平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して平年並となっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2019年8月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2019年8月)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2019年8月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度、南東 北緯29.7度、東 北緯29.7度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯30.5度、東経137.5度 北緯30.5度、東経138度 北緯30.5度、東経138.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬に北緯32.5度、東経137.5度付近、中旬に北緯32.5度、東経138度付近、下旬に北緯33度、東経138度付近に冷水渦がみられた
四国沖では、上旬、中旬に北緯32度、東経132.5度付近に冷水渦が、下旬に冷水域がみられた
南大東島の西では、上旬に北緯26度、東経130.5度付近、中旬に北緯26度、東経130度付近、下旬に北緯26度、東経129.5度付近に冷水渦がみられた
沖縄本島の南では、上旬、中旬に北緯24.5度、東経127.5度付近、下旬に北緯23度、東経127.5度付近に暖水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2019年8月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経143.5度付近 北緯39.5度、東経143.5度付近(図中A) 北緯39度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯41度、東経145.5度付近 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年より西)(図中B) 東経143度付近(平年より西)(図中B) 東経143度付近(平年より西)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経145度付近) 北緯37.5度付近(平年より北)(経度は東経145度付近)(図中C) 北緯37.5度付近(平年並)(経度は東経145度付近)(図中C)
その他の日本の東の海流 北海道南東方では、上旬に北緯41.5度、東経147.5度付近、中旬に北緯41度、東経146.5度付近、下旬に北緯40.5度、東経146度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では、上旬に北緯40.5度、東経145度付近と北緯38.5度、東経143度付近に、中旬、下旬に、北緯38.5度、東経142.5度付近に暖水渦がみられた
本州東方では、上旬に北緯38.5度、東経147度付近、中旬に北緯38度、東経147.5度付近、下旬に北緯38.5度、東経147.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の西の北緯36度、東経133度付近から北に流れ、北緯37度付近から北北東に流れ、日本海中部の北緯39.5度、東経134度付近から東に流れ、東経135.5度付近から南東に流れ、能登沖の北緯38度、東経137度付近から北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139.5度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41度付近から東北東に流れて津軽海峡に達していた
若狭湾沖の北緯37度、東経135.5度付近では反時計回りの流れがみられた
朝鮮半島東岸では岸に沿った北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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